【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】非接触、ナノレベルの測定装置を化粧品分野に用途展開
産創館の製造業のビジネスマッチングサービス「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」で、OptiWorksが開発した光学検査装置の新たな用途展開として大手化粧品会社とマッチング。化粧品を使用した時の肌の状態の変化を簡単かつ詳細に測定できることが分かり、導入に結びついた。
辻ナビゲーターがある大学の研究室を訪ねた時に「光学部品の設計・加工ならここ」と紹介されたのがOptiWorks(オプティワークス)だった。訪ねて土肥氏の話を聞くうちにひき込まれた。多くの中小レンズ加工メーカーが委託先から図面をもらって加工だけを受注する中で、同社は半導体向けなど微細な精度が求められる光学製品を光学設計から製作までできる点が強みだった。新製品として光の反射を利用して金属・ゴム・ガラス・皮革・弾性体・液面などの表面をナノレベルで測定できる非接触型3次元形状測定システム「オプティカル・ペン」を開発したと聞き、これを光学業界以外に用途展開できないものかとマッチング先を探すことになった。「うちは小規模企業なので光学業界以外に営業をかける余力はない。興味を持ってくれる先があるならありがたいと思った」と土肥氏は話す。
候補として挙がったのが大手化粧品メーカー。研究所を訪ねて担当者に話を聞くと、基礎化粧品の使用前後で肌がどれだけ変化したのかを簡便に調べることのできる装置を求めていることを知った。サンプルをOptiWorksに持ち込んで検査装置を使ってみると、肌のきめ細かさを測定するデータが詳細に把握できることがわかった。土肥氏は化粧品会社の研究者が操作しやすいように、また肌のデータが瞬時に分かるようにソフトの改良も加えて納品した。液中にある分子膜の状態を見たり、精密金型の加工精度を測定したりと「オプティカル・ペン」の応用範囲は広いため、「今後もナビゲーターさんの力を借りながら利用先を増やしていきたい」と新たな需要先の掘り起こしに期待している。
〈マッチングまでの流れ〉
2010年 辻ナビゲーターが大学からの紹介でOptiWorksを訪ねた際、「オプティカル・ペン」のことを知り、光学分野以外で利用できないかマッチング先を検討。
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2011年 辻ナビゲーターが他のナビゲーターから紹介された大手化粧品会社を訪問。化粧品の効果をデータとして確認する検査装置として用途展開できることがわかる。
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2012年 化粧品用の検査システムとして納入。
▲あらゆる物体の表面をナノレベルで測定できる「オプティカル・ペン」。
▲大阪産業創造館 辻 和孝 ナビゲーター(左) OptiWorks株式会社 代表取締役 土肥 寿秀氏(右)
OptiWorks株式会社
代表取締役
土肥 寿秀氏
従業員数/4名 設立/2003年
事業内容/土肥氏が大手光学機器メーカーを退職後に会社を設立。レンズ加工機、光学測定システムの開発、製造及びこれらの製品を使った産業用レンズの設計、製作の受託加工を行っている。アメリカ、ヨーロッパなど海外向け商品が売上げの半分以上を占める。