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あきらめない精神で実現した超リアルな立体印刷

取材陣が通された広い部屋には、さまざまな銘板やタッチパネル、家電や自動車などにセットされるロゴマークなどが展示されている。そこに描かれたマークや文字などは、いわゆる型押しや彫り加工を思わせるリアルな立体感をそなえている。触れてようやく「平面」に印刷されたものであることに納得するのだ。

印刷だとわかっていてもつい指を伸ばしている我々を、満足気な笑みで迎えてくださったのは4D技術を開発した株式会社大和マーク製作所社長の太田氏(写真中央)、工場長の本間氏(写真右)、営業部次長の松尾氏(写真左)だ。

1960年創業の同社は、金属印刷による銘板製造業として出発し、時代の変化とともにプラスチック、ガラス、金属など多様な材料に対応するスクリーン印刷へと主力を移してきた。スクリーン印刷とは、繊維の版に開けた孔(あな)からインキを透過させる方式で、版が柔らかいので曲面にも印刷できることが特徴だ。さらに、発色性とスピードを両立させた最新鋭インクジェット方式の印刷機も導入した。「平面なのに立体に見える4Dの秘密は、目の錯覚の利用です」と松尾氏。

人間の目は光と影を見て、そのものが立体であることを認識する。4Dは文字やマークのエッジライン(縁)に光のラインを均一に引くことで立体物と同じように光らせる技術。人がエッジラインの光を見て、立体だと錯覚するという原理だ。

原理はわかっても、光の屈折を生み出すエッジラインは精度±0.2以下の位置精度が求められ、わずかでもずれると立体には見えない。さらに均一に光らせるために高度に熟練したインク調整が必須となり、これらは他社では真似ができないものだという。このオンリーワンの技術は、一朝一夕で実現したものではない。
「不採用からの出発でした」と語るのは、4D技術の核心を確立した本間工場長だ。

樹脂を成型することで立体感を表現していた大手家電メーカーの店頭POPに、同社はコスト削減が可能なスクリーン印刷を提案するも、精度が及ばず採用に至らなかった。「可能性を一つでも見つけると、とことんやる」という社長直伝のものづくり魂に着火したのがその時。「今よりもっと印刷技量を上げて高い精度を出そう!」と努力、改善を重ね、遂に4Dを実現した。

画期的なイノベーションの実現は「社長が任せてくれる仕事を、営業と製造、それぞれの立場で受け止め、とことん考える社風から生まれました」と松尾氏。「この二人のおかげで会社は儲けさせてもらっています(笑)」と太田社長は目を細める。

高精度・低コスト・スピードという産業ニーズを的確に捉えた4Dの技術は、大きな可能性を秘めている。もちまえの「あきらめない精神」で同社が海外へと飛躍していく日は近いと感じた。

(取材・文/山蔭ヒラク 写真/MAKIBI)

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2017年06月19日
株式会社 大和マーク製作所
代表取締役 太田 勝三氏/営業部次長 松尾 友達氏/工場長 本間 豊章氏
事業内容/高付加価値の高精度印刷
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