Bplatz press

原点回帰で気づいた「本当に創りたい会社」

2013.06.10

2890

 「今日も人生やり切ります!」。今や全国2100を超える接骨・整骨院に財務や人事の経営支援を展開するリグアの川瀬社長がfacebookで書くいつもの一言だ。
 育ったのは一般的なサラリーマン家庭。ただ幼稚園の頃に七夕の短冊に「社長になりたい」と書いた。起業を明確に意識したのは大学生の時だ。会社で重要ポストに就いていた父が意にそぐわない部署に異動になり、「会社に尽くした30年間は何だったのか」と意気消沈する姿を目の当たりにした。「尊敬する父のその姿を見て、自分で会社をつくろうと決心した」と振り返る。

 起業準備のために、まず就職したのは、あの商工ファンド(現SFCG)。選んだ理由は「会社はなぜ潰れるのか知りたかった。事業資金の流れをつかむには最善の環境だと考えたから」。1年で辞めると公言して入社した後、2600人全社員の中でトップの売上げを記録した。その後、「次は企業経営を経験したい」と、野武士集団としても知られるホテル再生会社に転職。入社時、「私は御社に売上げを約束します。その代わり私に人脈と経験を下さい」と社長に直訴した。宣言通り、ブライダル事業の責任者として売上げを飛躍的に伸ばして見せた。

 そして25歳。現在の事業の礎となる整骨院を創業し、28歳でリグア社を設立した。代替医療として浸透し、全国で急増している整骨院に商機があると考えた。しかし何より強かったのは「救われる人がいる」という想いだ。自身も学生時代、アメフトで痛めた体を整骨治療に助けられた。しかし、その後順調に事業を拡げていた川瀬氏が初めて窮地に陥ることになる。

 「あの時は経営なんて簡単だと思ってたし、自分でも気づかないうちに志が歪んでしまっていた」と振り返る。急成長の過程で、いつしか株式公開が目的になっていた。「俺の志はどうなってしまったんだ」。自問自答を繰り返した結果、32歳のときに原点回帰で再スタートを切る。

 川瀬氏にとって経営者としてのターニングポイントになった出来事は是非【長編】の記事を読んでもらいたい。最後に、月350時間働いているという川瀬氏のfacebookのコメントを書いておこう。「社会になくてはならない会社。未来にわくわくできる会社。僕はそんな会社を創りたい。そのためにはトップ自らが働く!あまり勉強はできない方なので時間をかけてやるしかないんです。今やっていることが無意味であったと絶対に思いたくないんです。今日もやります!明日もやります!楽しくて仕方がない!」。

川瀬氏のターニングポイントとなった秘話はこちら【長編】▼
https://bplatz.sansokan.jp/archives/721

株式会社リグア

代表取締役

川瀬 紀彦氏

http://ligua.jp/

設立/2004年

従業員/28名(グループ全体98名)

事業内容/全国2100軒を超える接骨・整骨院に「運営サポート」「経理サポート」「情報サポート」を中心とした経営支援を展開する。