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さすが大阪!「笑える蛇口」が生みだすイノベーション

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誰もが知っている水道の蛇口が、アッと驚く姿に。もちろん、ひねると水が出る。れっきとした工業製品だ。

創業136年の水道用品専門の老舗メーカー、カクダイが生み出した「Da Reya(ダレヤ)」シリーズ。「誰
や!ホースの先踏んでんのん?」「誰や!メタボにしたん?」というユニークな商品名の蛇口たち。大手メーカーの補修部材を専門に扱っていたが、バブル崩壊後、メーカーが補修まで手掛けるようになり、オリジナル製品を開発するようになった。


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水道用品は大手2社がシェア9割を占める業界だ。開発当初は売れ筋を作っていたが、コストはかかるのに品質は安定せずクレームばかり。一般ユーザーも販売店も、当然ながら大手の製品を選んだ。次は「もっと安く、もっとたくさん作らなければ」と考え、中国にも進出したが、自分たちが疲弊していくだけだった。

学んだのは、「成長市場では勝てない」ということ。しかし、すでに成熟した市場の製品なら競合が少なく、特許などの公開情報も多い。そう考え、新製品の少ない配管や汎用部品といった分野に注力していった。

取り付ける作業者の生の声を聴き、次の開発に生かす。その繰り返しで、技術、ノウハウを蓄積していったが、人口減少に伴い住宅市場は下降していく傾向にある。「せっかく開拓してきたシェアも、また失うのでは」。経験からそう悟った時、夢が首をもたげた。

「ブランドを確立したい」。しかもデザインで指名買いされるヨーロッパ製品に負けないブラ
ンドだ。そこで大阪発のメーカーとして「笑い」を意識したデザインに焦点を絞った。「おもしろい」という感覚は、個人の好みや性別、年代、流行にとらわれない共通した感覚だと考えたからだ。

そうして生まれたのが「Da Reya」シリーズ。今までになかった蛇口は話題を呼び、今では毎年新製品を200点ほど発表している。新製品のアイデアは社内公募。「もっと笑わせたい」と社員も必死だ。

自由なアイデアを製品化するには技術力も必要だ。例えば、「びよ~ん」は従来の鋳造技術だけでは到底なし得なかった製品。せっかくのネタを形にしたい一心で新しい技術が生み出され、定番製品の改良にも生かされている。

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発売から4年、最近はインターネットのクチコミでも再度注目を浴びた。「次世代を担う子どもたちが、当社の製品を使って笑い、構造やデザインに興味を持ってくれる。数十年後、彼らが海外メーカーにも勝てるブランドをつくっていってほしい」と微笑む。

社内にある制作部がカタログや広告を手がける。

社内にある制作部がカタログや広告を手がける。

代表取締役副社長 多田 修三氏

代表取締役副社長 多田 修三氏

誌面では紹介しきれなかったロングインタビューはコチラ
→大阪ならではの「笑える蛇口」が、知名度も技術力も高めてくれた

(文・写真/衛藤真奈実)

2016年03月09日
株式会社カクダイ
代表取締役副社長  
多田 修三氏
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