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【特集】社員の幸せは会社を強くする原点は「会社の目的ってなんや」

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 良い空気が流れている会社は訪問した瞬間にわかるものだ。HEADSの社内も華やかな印象に加えて居心地がよく、その理由を探っていると、暮松氏の登場で謎が解けた。社長自身の表情や雰囲気が柔らかいのだ。社長だけでなく、平均年齢28歳の社員たちも明るく、ごく自然な笑顔でフレンドリーに接してくれる。

 ギフトラッピング用品の包装資材を扱う同社の退職率は1割と少なく、育児休暇明けの復帰率は9割、さらに6人に1人が親子きょうだいで勤務しているという。「でもええかっこなんてできませんよ(笑)。6年前まで退職率は3割ありましたから」と打ち明ける。

 創業してから売上重視の経営を貫き、「人を顧みる余裕なんてなかった」と振り返る。売上は伸び続けたものの、人材を採用してもやめていく。「会社の目的って何やと思い知らされた。このままではあかん」と目的を再定義し、たどり着いた答えが「幸せ制作会社」という現在の社是だ。「社員の幸せが会社と関わる人の幸せにつながり、結果として必要とされ成長する会社になる―そうやって会社の目的を転換してから組織が変わり始めたんです」。

 とはいえ、人によって捉え方が異なる「理念」を組織ですぐに共有できるようになるわけではない。そこで「経営理念勉強会」を月1度開いて社内への浸透を図ると共に、「幸せをつくる」ための社内企画を続々と打ち出していく。たとえば感謝の言葉を絵本にして誕生日にプレゼントしたり、社員同士で謝意を伝える「感謝カード」を交換したり。そうした取り組みの数々で幸せをつくり出すことの喜び、人の幸せが自分の喜びにつながる経験を積み、組織の和がどんどん広がっていった。

他県の商工会から、年に4~5回行われる企業訪問。HEADSの理念を学ぶ。

他県の商工会から、年に4~5回行われる企業訪問。HEADSの理念を学ぶ。

 新入社員が順番に社長と全国の顧客を訪問する出張も一種の研修だ。「私の考え方を理解してもらえるだけじゃなく、泊りがけで行動を共にすることで、距離感が縮まるんです」と語る。

2013年の社員研修旅行。東京ディズニーランドでホスピタリティを学んだ。

2013年の社員研修旅行。東京ディズニーランドでホスピタリティを学んだ。

 2013年にはお洒落なカフェ風の社員食堂をオープン。社員の家族もいつでも利用できるため、家族ぐるみの関係が育つ場所になっている。「投資額は大きいですが、社員の健康や幸せを願う私の覚悟が伝わったかな」。社是を変えて6年、組織改革が業績にも結びつき、優良企業に成長している。

テーブルは楕円形にして、社員が自然に会話できる設計に。

テーブルは楕円形にして、社員が自然に会話できる設計に。

毎年、全社員にHEADSオリジナルの誕生日ケーキが贈られる。

毎年、全社員にHEADSオリジナルの誕生日ケーキが贈られる。

(文・写真/高橋武男)

2015年05月08日
株式会社HEADS
代表取締役社長  
暮松 邦一氏

事業内容/「カンタン・キレイ・ベンリ」をコンセプトに、ギフトラッピング用品の包装資材を全国の小売店約2万店舗に販売。取扱商品は袋、包装紙、リボンなど11カテゴリ・4000アイテムを超える。

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