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災害と向き合い事業と従業員を守る

東日本大震災発生から3年以上が経過した。この間、関西においては、南海トラフ地震のリスクが叫ばれ、豪雨災害も多発している。自然災害が発生した時に迅速に行動し、一分一秒でも早く事業を再開させる対策に取り組む企業が増えつつある。

自動車や金属、建材、エレクトロニクス分野の表面保護フィルムの製造を主事業とする株式会社スミロン(大阪市天王寺区、代表取締役 春山喜一氏)もその一つだ。

同社の製造拠点は三重県と和歌山県。三重工場は以前から台風や大雨の影響を受け、和歌山工場は南海トラフ地震が発生した場合に河川の氾濫や従業員宅の津波被害が懸念されている。

何らかの原因で操業が停止・遅延すると、供給責任が果たせず顧客からの取引停止につながる可能性があり、ひいては従業員の雇用が維持できないばかりか、規模によっては倒産の危険性もある。また、従業員の安全を確保する責任もある。そのリスクを少しでも軽減するために策定したのが、BCP(事業継続計画)だ。

BCPに取り組むにあたり、多くの企業が疑問視するのはその効果である。また、従業員が理解をしていなければ、リスク発生時に発動することもできない。同社では、毎年、台風や大雨の影響を受けやすい三重工場から計画策定を開始。従業員の居住地や各業務における遂行レベルの把握、機械設備の稼動手順、工場内の動線、避難経路確認など、ヒト・モノに関わる項目の洗い出しと仮説検証を行い、災害発生時の初動対応策や復旧手順を練り上げていった。

導入から2年。工場内の電源を落とす必要がある法定点検日などを活用し、演習を行うことで、従業員への浸透や計画の見直しを行っている。繰り返し行うことで、初めは懐疑的だった従業員も、対策への意識を高めている。現在、和歌山工場でBCPを策定中だが、有事の際の三重工場との連携など、複眼的視点で検証を続けている。

防災の意識は高まりつつあるが、復旧までを視野に入れた対策をとっている中小企業はまだまだ少ない。中小企業の先駆例として、同社の今後の取り組みに期待したい。

(大阪産業創造館 プランナー 荒井祐己子)

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▲スミロン三重工場での現場演習の様子。全員参加で意識と連携力を高める

2014年10月06日
株式会社スミロン
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