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今求められているのはワクワクしてやり抜く「変革型リーダーシップ」

2014.09.09

近頃経営者は元気がないと思います。日本の経済が低成長の時代が続き、成功体験が少ないからでしょうか。先行きについても明るい希望を持てないと感じているようです。

時代の変化に合わせてビジネスモデルを変えないといけないのに、昔からやってきたビジネスにしがみついていませんか? たとえば、100年近く続く大阪の老舗ゼラチンメーカーのかつての売り先は写真フィルムメーカーでしたが、今はコンビニ惣菜向けに売上げを伸ばしています。
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今、経営者には“変革型”のリーダーシップが求められていると思います。やりたいことを明確に描いて、多くの人を巻き込んで形にしていく力。保有している技術は他の分野に応用できる。たいていの人はそのことに気づかないでいます。やり方を知らないだけで発想の仕方を体験すればだれでも身につくものなのです。

「強いリーダーになる資質など自分にはない」と思っているかもしれませんが、さまざまなプロジェクトを引っ張っているのはごく普通の人たち。JR東日本の駅ナカビジネスを立ち上げたメンバーもどこにでもいる女性の課長でした。取締役会の場で上司がその課長らに向かって「プロジェクトを全面的に任せる」と公言し「うまくいかなかったら私が責任をとる」と言うのを聞いて、「絶対に失敗できない」という覚悟が決まったそうです。役割と使命を感じ、あきらめなければ糸口は見つかるのです。

一時、多くの企業がこぞってネットショップビジネスに参入した中で楽天が勝ち残りました。赤字が続く中、大手は早々に手を引いたのに対し、三木谷氏は自分たちにはここしか生き残る道はないと考え、利益が出るまでうまくいく方法を考え続けたからなのです。

みながいいと思うビジネスはまず失敗する。そんなのうまくいくはずがないと言われるようなビジネスにワクワクして取り組める経営者になってほしいと思っています。

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(取材・文/山口裕史)

スプリングプランニング 

代表 

清水 憲彦氏

株式会社阪急百貨店にて、海外商品開発、店舗開発、社員教育、採用、評価制度の構築と定着教育、財務企画を担当したのち、人材開発部長、ファッションMD計画部長を歴任。その後、独立。その間、J R 東日本が進めるエキナカ事業「エキュート」の立ち上げメンバーの育成を行い成功に導くなど、社内外の人材育成に対して実績を持つ。2001年より(社)日本マーケティング協会マスターコース関西で「マーケティング財務」と「価格戦略」の授業を担当。理論と実践が融合した教育内容から人気講師として高い評価を受けている。

今回、大阪産業創造館主催の連続講座「リーダー養成塾」(下記)でも講師を務める。