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「他人と同じはいや」を狙ったセミオーダーメードのランドセル

店内には100種類近くのカラフルなランドセルが並ぶ。店の奥から聞こえてくるかなづちの音をたどるとそこは工房だった。皮革の裁断から材料の張り合わせ、縫製に至るまですべてが職人による手づくりだ。「通常のカバンの10倍近い300もの細かい工程で丁寧に仕上げていく」と仲氏。

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ランドセルを手がけて50年ほどになる。高級皮革ランドセル一筋に、1970年代の最盛期には年間3万個を生産した。その後、人工皮革製のランドセルが台頭する中で本革にこだわり高級品市場で商機を見出してきた。転機は90年代後半。問屋を介さず直接消費者に販売できるよう、業界でいち早くネット販売を始め、小売のスペースも設けた。従来の赤、黒2色だけの世界から、ランドセルに個性を求めるように親世代の意識が変化しつつあった。そして、顧客の声を拾ううちに行き着いたのがセミオーダーメード型の受注生産だ。

ベースとなる約50種類の形の中から選んだ後は、縁取り、縫い糸の色、金具の種類などが自由に選べるようになっている。「多くは『他人と同じはいや』と探しにやってくる」と顧客のこだわりを実感する。そうした細かい要望に応えられるのも、「生産から販売までを一貫で手がけ、スピーディに改良、販売の循環を回せるから」だ。今年は機能面も重視し、担ぎやすい形状の肩ベルトや取っ手付きを採用した。「こだわりの強い人は市場の1%はいる。そこに特化していく」と仲氏。毎年、生産能力を超える受注が続いており、数年内に工房を拡張する予定だ。

店頭にはたくさんのランドセルが並ぶ。

重さが分散するようにS字状にした肩ベルト。

店と棟続きの工房。一つ一つが手作りだ。

(取材・文/山口裕史)

2014年07月09日
株式会社生田
仲 健志氏

ランドセル製造・販売。問屋を介して販売するメーカーが多い中、生産から小売までを自社で手がける製販一体型の工房型スタイルをとる。受注の多くはセミオーダーで、生産本数は毎年3000本を超える。

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