産経関西/産創館広場

信頼を高めるスピード力・専門性・ネットワーク

2014.05.19

樹脂素材商社の株式会社KNC(大阪市中央区)が持つ強みはスピード、専門性、そしてネットワークだ。朝の商談で出た案件の見積もりを同じ日の夕方に出し、2日で100トンの受注を決めたことがあるという。決断が早いことは時としてリスクにつながるが、同社が歩んだ13年の歴史の中で受けたクレームはわずか2回。翌日に飛行機で販売先企業がある韓国へ飛び、きっちりと謝罪し責任を負ったことで、信頼を得て長い付き合いになっているという。

代表の金亨坤(キムヒョンゴン)氏は、以前勤めた石油化学メーカーの韓国KOHAPで培った経験により、イラクで戦争が起きればどの素材の価格がいくら変動し、どこの工場で事故が起きればどのタイミングでどれくらい価格が上がるかが瞬時にわかるという。それが商談の際の提案力として表れる。

さらに、日本を含む20カ国以上の国々を渡り歩いたときに築いた人脈は、現在の営業戦略に大いに役立っている。

2000年に大阪で会社を設立。当初は日本国内の営業がメーンだったが、2010年から海外展開を開始し、現在の取引先は10カ国以上にまたがっている。また、もともと韓国企業へのパイプが太く、中小企業を相手にしないといわれる財閥企業でも、同社からの発注なら最少ロットから受けてくれるという。

金氏の信条は誠実であること。長らく付き合いのあった東大阪の企業に対しては、中国のライバル製品であっても、よりコストメリットがあると自ら勧めたこともあるという。異国の地で経営者として事業を続けることは簡単なことではないはずだが、今年で設立13年目を迎えることができた理由は金氏の信条にあるのかもしれない。

現在同社が取り扱うのは約30の樹脂素材。常に新しい技術や動向に目を配り、1割は新規商材を入れるように心がけている。現在の主力はカーボンナノチューブ(CNT)。21年前に発見され、導電性が銅の16倍、熱伝導性がアルミの8倍、強度がステンレスの100倍など高付加価値化を実現できる素材だ。さらにホットラインと呼ぶほど厚いパイプで繋がる韓国メーカーACNのCNT素材は、世界で唯一、金属やセラミックなどへの応用が可能で大量生産できることが最大の特徴だ。日本国内では現在同社のみが販売しており、積極的に拡販する構えだ。

(大阪産業創造館 プランナー 坂田聡司朗)

sankeikansai140519▲即決即断をモットーに事業拡大をめざすKNC代表の金氏(右)と事業部長の李氏(左)

株式会社KNC

http://www.kncinc.co.jp/