プレスリリースの作り方

【プレスリリースの作り方24】「プレスリリースの作り方」という“以前”の注意点

2020.04.30


「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.24

元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。

プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!

 
この数ヶ月間で、世の中が激変してしまいましたね。「今は、耐えるしか仕方がない」と覚悟を決めておられる方も多いと思います。

しかしながら、この新型コロナウィルスの感染拡大という嵐が、頭上を過ぎ去って行くのを、ただ待っているだけでは、あまりに勿体ない。
身は屈めていても、頭の中では、シッカリと次なる雄飛に備えましょう。

 
例えば、世の中が落ち着いた際に、いち早く、貴方の会社の存在や、貴方の会社の商品を知らしめることが出来るように、今から、情報発信の準備を進めておきましょう。

しかし、売上が大きく落ち込んだ今、費用はかけられない。

ならば、費用がほとんどかからないプレスリリースについて、今こそシッカリと学んでおいていただきたいのですが、今回は、当欄のタイトル「プレスリリースの作り方」という“以前”の注意点を、改めてご紹介したいと思います。

 
先日も、サンソウカンで、「プレスリリースを出したいのだけれど」という相談を受けました。ボクは、いつものように、こうお聞きしました。「何新聞の、何のページに載せたいのですか?」と。

実は、この最初の質問で詰まる方が多い。例えば、日経新聞なのか?「朝・毎・読・産」なのか?それとも、業界紙なのか?また、どのページに載せたいか、ということも明確にしておいていただきたい。経済面?くらし面?地域面?載せたい紙面を想定しながら、リリースを制作をしていただきたいのです。

やはり、その新聞ごと、紙面ごとで、響くワードやウケるネタは微妙に、時に明確に違ってくるからです。

 
かつて、こんな方もおられました。詳細は申し上げにくいのですが、いわゆる“スピリチュアル”系商品を扱っておられる方でした。その新商品を、新聞に取り上げてもらいたい、出来れば、日経新聞に取り上げてもらいたい、と相談に来られたのです。

ボクは、こうお聞きしました。「こうした商品の記事を、日経新聞でご覧になったことはありますか?」と。ご相談に来られた方は「エッ?」と呟いた後「見たことないですね」とおっしゃいました。

そこで、続けてお聞きしたのです。「この商品、リリースして、そもそも新聞に載りますかね?」と。この方は、う~んと唸った後「難しいですよね」とおっしゃったのです。

 
そうなのです。
プレスリリースに向く商品、向かない商品というものがあります。

プレスリリースには、ある程度の時間と労力が必要です。
それだけに“空振り”の可能性が高いのであれば、プレスリリースに固執することはない、ということも、心に留めておいて下さい。

(文/大谷邦郎)

大谷 邦郎氏
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等

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