《講演録》モノを売るな! 体験を売れ!つながりで売る、SNS時代のやり方
▶未来を見据え、競争する時代から共創する時代へ
トヨタイムズのCMのなかで、「トヨタは車のメーカーじゃなくなる、すべての人に移動する楽しさを提供するモビリティカンパニーになる」って言っていましたよね。日本を代表する自動車メーカーが車をつくらないで、変わるって言うんです。例えば、東京から北海道へ出張だとなると、トヨタの無人車がやってきて羽田空港まで連れていってくれる。すでに飛行機の予約もしてくれている。そういうプラットホームをトヨタはめざしていて、車がいらない未来を見据えてビジネス展開しています。ユニクロも、服を売る企業ではなく、電気や水道のような生活インフラになると言っている。
来年からはじまる5G(第5世代移動通信システム)は世界を変えると言われています。2時間のハイビジョン映画を3秒でスマホにダウンロードできるそうです。遠隔手術や自動運転の遅延も100分の1秒。個人認証も簡単になる。こういうことを知らないと、ビジネスチャンスを逃すんですね。勉強しなきゃいけないことがたくさんある。「モノではなく体験を売る」「競争する時代から共創する時代へ」というエクスマの考え方を知っているか知らないかで、つぎのビジネス、未来に参加できるかどうかが決まります。
▶失敗も成功も自分が決めること。変化を恐れず行動あるのみ
人間ってひとり一人がすばらしい価値と役割をもって生まれてきている。そのことを認識するだけで世の中が変わり、仕事の質に違いが出てくることを信じてください。もしいまの仕事がいやだったら、好きなことで副業を考えてもいい。夜と休みの日はそれに没頭し、SNSで発信したら仕事に結びつくかもしれない。
私は、テクノロジーの進化が仕事を奪うだけでなく、好きな仕事ができて人生を楽しくすることもできると考えています。失敗も成功も全部みなさんが決めていることですよね。やってみてダメだったら変更すればいいし、失敗がつぎのステップになったと思ったら、それが本当にステップになる。すべて自分の心のもち方次第。
私の本を1,000人が読んでくれたとすると、そのうち500人が「エクスマを実践するぞ!」と決意してくれます。ところが、実際に行動するのは1人くらいだと統計で出ています。才能や会社の規模、年齢なんか関係ない。行動するだけで1,000人の一歩先を行けるんですよ。みなさん、変化を恐れず、エクスマをすぐに実践してください。
(文/花谷知子)
藤村 正宏氏(フリーパレット集客施設研究所 主宰)
1958年北海道生まれ。釧路湖陵高校から明治大学文学部(演劇学専攻)へ進む。早稲田大学演劇研究会にて演劇をプロデュース、大学卒業後、株式会社京屋にてヴィジュアルプレゼンテーション、ニューヨーク大学にて映画製作の勉学等を経験。帰国後、フリーパレットを設立し、ウインドディスプレー等に従事。1992年ラーソン・ジャパン取締役就任後、各種集客施設(水族館、博物館、テーマパーク、レストラン、ショップ等)の企画設計を手がける。集客施設の企画に演劇の手法を取り入れて成功。実績が証明されるに従い、信奉者が増える。特に、ヒトの潜在意識に影響する要素を取り入れるほか、体験を売るという「エクスペリエンス・マーケティング」の考え方で集客施設や会社のコンサルティングを行う。