週1餃子店、兼業で看護師の仕事にも張り

きっかけはホームパーティでふるまった餃子を皆がおいしく食べてくれたことだった。凝り性の立垣氏は、自分好みのジューシーな餃子を突き詰めるべく、精肉店でスープに使う鶏ガラから買い求め、豚肉の種類までこだわるようになった。

「看護師を40歳くらいまで続け、いつかは餃子店を」と漠然と思っていたが、友達に誘われて参加した大阪産業創造館主催の起業塾(創業チャレンジゼミ)を受講し「店を開くことのハードルが一気に下がった」。近所の小籠包店でアルバイトを経験し、食材の保管方法などを学んだ。

物件を探すうち、カフェを営む知人から定休日に店を間貸しできると聞いた。「当初はフルタイムで店に専念するつもりでしたが、それなら看護師を続けながらできる」と、看護師の仕事は週2回のパート勤務にあらため、月3日程度店を開くことにした。

始めてみると思ったより仕込みに時間と労力を要し「週1ぺースでちょうどいい」と思えた。なにより「生活にメリハリがついて以前より患者さんに優しく接することができるようになった」。

当初は反対していた家族も時々岡山から駆けつけてくれる。同じような思いを持つ人のために「いつかは私が間貸しする立場に」と考えている。

◎準備期間:3ヵ月
◎開業資金:5万円(設備費除く)
家賃は週1日分を支払えばよく、敷金、礼金はもちろんゼロ。メニューやショップカードも手作りで費用を抑えた。妹と友人にアルバイトに入ってもらうことで採用費もゼロに抑えることができた。
◎設備費:15万円
間借りのため、ほとんどの備品はシェアできる。新たに必要だったのは業務用冷凍庫くらい。
◎仕入れ:1万円弱
主に肉、野菜や調味料など。餃子は1日300個作る。仕入れ先の開拓や情報はアルバイト先で学んだ。

立垣 未来氏

(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

―― 起業年表(起業ストーリー) ――
◎2018年4月
起業塾「創業チャレンジゼミ」に参加し、趣味であった餃子づくりで飲食店の開業を決意。
◎2018年5月
正社員からパートに切り替え、飲食店でアルバイトを経験。実務を通し飲食店の運営方法を学んだ。
◎2018年8月
カフェを間借りし、週一度の定休日に店を開店。InstagramやTwitterなどのSNSや屋外看板で主に集客している。

―― 働きながら起業準備してみて ――
◎良かった点
準備期間中にダブルワークの発想が生まれ、双方の仕事にメリハリが生まれた。
◎苦労した点
安定した「看護師」を辞めることを家族から反対されたこと。ダブルワークにすることでその不安も払しょくできた。
◎気を付けるべき点
仕事を辞めずに起業できるならリスクは抑えられる。辞めて起業することばかりを考えずに、辞めないで起業することも選択肢に入れてみることも大事。

―― <起業・独立>ココがポイント ――
看護師として充実した毎日を過ごしていた立垣さん。その仕事を辞めて餃子専門店を開業したいと聞くと、どうしても最初は収入が減ってしまうのではないかと心配しました。退職しないと起業できないと考える方が多いですが、勤め先との雇用契約の変更を交渉したり、起業準備の時間を確保しやすい職業に転職するという選択肢もあります。起業までの道筋は一つだけではないので、立垣さんのように固定観念にとらわれず柔軟に考えることが大切だと感じました。
(大阪産業創造館 創業支援チーム 石嶺 一樹)

【 創業チャレンジゼミ 】https://www.sansokan.jp/challenge/

ishimine

2019年10月07日
餃子食堂なんともはや
立垣 未来氏
事業内容/餃子メニュー中心の飲食店
従業員数/3人

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