透明包装された「ブリスター包装」商品を視覚障がい者にも伝える技術

商品を透明なプラスチック容器で包装する「ブリスター包装」は、商品の実物が見える形で店頭に陳列できるため、歯ブラシや文房具などの日用品や菓子などのパッケージにおいて広く利用されている。

「中身が“見える”ことが利点ですが、視覚障がい者の方にとってはプラスチック容器に阻まれて商品そのものの形を確認できないから、逆にわかりにくくなっているんですよね」と語るのは、ブリスター包装機器メーカー「大青鉄工」の佐薙(さなぎ)氏だ。

顧客の要望に合わせてオーダーメイドで機械を設計している。

点字の翻訳ボランティアを行う母親の使用する点字器を見て、自社の手掛ける機器に点字の工程を組み込めるのではないかと発想し、開発した。もともと自社が採用していた容器の溶着方式や機器の精度の高さのおかげで、開発はスムーズにすすんだ。

ただ、メーカー側が“うちの商品は視覚障がい者の方は使わないから”、“コストがかかるから”などと尻込みするケースが多いという。「視覚障がい者の方にお話を聞くと、驚くほど僕らと同じように生活用品を使われています。例えばカッターナイフなどもそうです。メーカーさん側が“使わないだろう”と思い込んでいることの方が多いんです」。

これまではブリスター包装に点字を施そうとすると手間やコストがかかっていたが、今回の開発で従来の工程の中に点字プロセス組み込めたため、わずかなコストで実現できるようになった。「それらをメーカー側にも伝えていかなければと思っています」。

歯ブラシパッケージの表面の点字には「やわらかめ」と記載されている。

視覚障がい者と触れあう中で、パッケージに記載された商品バーコードの重要性も知った。最近ではスマートフォンでバーコードを読み取ることで、商品概要を読み上げる機能を利用する視覚障がい者が多くなっているというのだ。

「点字でバーコードの位置を知らせることができたら、点字だけでは伝えきれない詳細の商品情報をも伝えることができる。バーコード位置を知らせる点字の規格なども創設していければいいなと思っています」。

目下の目標は、展示会などで多くのメーカーと出会い、点字付ブリスター包装の社会的意義を理解してもらうこと、賛同・実施企業を増やしていくことだ。

「視覚障がい者に優しいパッケージは、高齢化社会への対応にもつながるのでは」代表取締役社長 佐薙氏

(取材・文/今中有紀)

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2018年07月20日
有限会社大青鉄工
代表取締役社長  
佐薙 啓太郎氏
事業内容/包装機器メーカー

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