スタッフ連載

Vol.3 事業所の新規開設が最も活発な「北区」

2018.07.16

新しく多くの事業所が開設される地域は活力があると考え、2014年から16年にかけての状況を24区と大阪市全体について分析しました。

開業率(図の横軸)、廃業率(縦軸)、および両者の差の開廃業率(斜めの線)の3指標で捉え、散布図を描いた結果、残念ながら全区で開廃業率はマイナスでした。

しかし、北区は-0.5%に過ぎず、開業率でも12.8%と最高を誇ります。大阪市全体よりも開業率が高い区は中央、浪速、阿倍野を合わせ4区だけという偏った結果となりました。

さらに、北区の状況を詳しくみてみましょう。業種別に開業件数をみてみると、“卸売業・小売業”がトップ、続いて“宿泊業・飲食サービス業”の順となります(※調査対象は事業内容が把握できる民営事業所に限る)。

開業率でみると、“サービス業(他に分類されないもの)”が11.0%でトップ、次いで“情報通信業”の10.6%です。“情報通信業”の廃業率は11.0%と開業と廃業が最も拮抗しています。

この状況が続けば、北区は大阪市内で有数のIT産業の街となりそうです。

≪ 図 24区別にみた事業所の開業率、廃業率、開廃業率 ≫

注:事業内容等不詳を含む。各用語の定義は次のとおり。
①期首事業所数:2014年7月1日時点における事業所数
②開業率の定義:2014年7月1日~ 16年6月1日の期間における開業事業所数から年平均開業事業所数を算出し、①の期首事業所数で除した値
③廃業率の定義:②と同じ期間における廃業事業所数から年平均廃業事業所数を算出し、①の期首事業所数で除した値。移転の場合、開業にも廃業にもカウントされる。
④開廃業率:開業率-廃業率
資料:総務省「平成28年 経済センサス-活動調査」

(取材・文/大阪産業創造館 徳田裕平)

大阪産業創造館 徳田裕平
建設コンサルタント会社やシンクタンクを経て、縁あって旧・大阪都市経済調査会の事務局長に就任。大阪市をどうやって元気にするかをテーマに日夜、調査・研究に励む。

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