スポーツ合宿・遠征に特化した企画で地方を活性化
スポーツ合宿・遠征に特化した企画を手がける株式会社ランブリッジ。地方自治体や宿泊施設、LCCをはじめ、顧客であるプロやアマチュアのアスリートから支持を集めている。
特徴は、パッケージ化されたプランを売り込むのではなく、プランニングの段階から参画していること。選手たちが質の高い練習に打ち込んだり、遠征先でも普段通りの力を発揮したりできるよう宿泊はもちろん食事や練習場の手配など細かな部分までプランニングし完全オーダーメイドで提案している。
例えば、洗濯。「合宿であれば、本来の目的は練習をすること。なのに、『後輩が先輩のユニフォームを夜遅くまで洗濯している』という時間が無駄だと思うんです」と余吾氏。そこで低価格で洗濯を代行するサービスを提供することで、合宿先で練習に打ち込める環境を整備している。
実は、余吾氏自身も四国のプロ野球独立リーグでプレーをしていた経験を持つ。退団後は専門学校で旅行・観光について学び旅行会社に就職した。そこでは学生向けのゼミ旅行や合宿を中心に営業を担当し、5年後に独立した。
野球選手時代と前職で培った経験に裏打ちされた企画力を強みに事業を展開し、現在では顧客のほとんどがリピーターになっているという。
「スポーツ×合宿」の事業は地方の活性化にも繋がっている。同社が関わったことでスポーツに関心が低かったある地方自治体に“スポーツ課”が新設されたという事例もあるほどだ。
さらに、宿泊施設や地方の金融機関、LCCとの連携にも拡大。中でも中国系LCC「春秋航空」の機内誌に同社が手がけた大学ラクロス部の合宿について連携事例が掲載されたことは話題となり、行政から問い合わせが一気に増えたという。
「宿泊施設や航空会社はもちろん、練習施設を持つ市町村とも独自のネットワークやノウハウを築いていることが我々の武器。みんなを繋ぐ”架け橋”となって、喜んでもらえることが仕事のやりがいですね」。余吾氏の挑戦は、これからも続きそうだ。
(取材・文/仲西俊光)