各地の食文化 気軽に身近に
『大阪一敷居が低いワインバー』をキャッチフレーズに「luv wine(ラブワイン)」を大阪市内に4店舗展開しているSEVEN SEAS(セブンシーズ、大阪市北区)。東口浩二社長は高校卒業後、いったんは就職したものの、海外に行きたいという思いから、アルバイトをしながら外国を旅するといった生活を10年ほど続けた。その後、いつか起業したいと考えるようになり、再びサラリーマンとなって起業準備を始めた。外国を旅してきた経験を通じ、日本に世界各地の食文化を紹介するビジネスをしたいと考え、まずに着目したのがワインだ。
当時まだワインはかしこまった印象が根強く、気軽に楽しんでもらえるようにイタリアの三輪車「Appe50」を使った移動式の立ち飲みワイン屋台を計画。持ち前の行動力でさまざまな商業施設に営業を仕掛けたものの、出店規制の壁で思うように進まず、ひとまず固定の店舗を天満にオープンした。週替わりで国別に7種のワインを提供するスタイルで営業をスタート。ワインの素人でも楽しめるユニークな業態にとどまらず、ワイン通も楽しめるグレードの高さも受け入れられ、当初の売上高目標をクリア。開業8年目の現在でも売上高が前年比を上回る月もあるという。
その後、カウンターのみの小規模店、商業施設の大型店舗など相次ぎ出店。しかし、事業規模が大きくなるにつれ、現場の状況が見えにくくなり、収益が上がらない状態が続いた。
立て直しのため、自らが店長として再び現場に。そこで飲食店が提供する価値は、業態のユニークさやスタイルだけでなく、それを運営していく人材が何より重要だと改めて気づかされたという。
現在は自分の理念に共感してくれるスタッフとともに、4店舗を展開するまでに成長。日本の地ビールと名産料理を月替わりで楽しんでもらう新業態「ラブビア」も新たに開業した。
将来は社名のように「7つの事業で7つの海を渡りたい」と東口社長は意欲をみせる。
(大阪産業創造館 コンサルタント 東純子)
▲週替わりで国別のおすすめワインを気軽に堪能できるセブンシーズ
株式会社SEVEN SEAS