熱い魂が伝播する中小企業応援サイト

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お仕着せでなく「うちの会社」らしさ、わかりやすさを追求する

私はカリスマ性があるタイプではありません。自分が引っ張っていくより、社員に自分たちで考えてもらい、気持ちよく働いてもらうのが一番やと思っています。真剣にそう考えるようになったのは、5年前に3カ月ほど入院したことがきっかけでした。自分がいなくてもしっかり会社が回っていることがありがたかったですね。じゃあもっと社員に任せて、いきいき働ける会社にしよう。そう考えました。

最初は外部のセミナーで学んだことや人から聞いたことをそのまま取り入れようとしました。部署横断で若手社員を集めたプロジェクトチームを作ったり、有志を集めて1泊2日で会社の課題を考える合宿を敢行したり…。でもそんな風土がなかった我が社へいきなり仕組みだけ持ち込んでもうまくいきませんよね。かけ声だおれで、振り向いたら社員ははるか後ろにいました。

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とくに父の代から会社を支えてきた番頭の社員は、僕が一体何をしようとしているのか最初は理解できないようでした。でもじっくり話してみると、お互い会社が好きで、会社を良い方へ変えたいという気持ちは同じだということが分かり、そこから前に進み始めました。また、当初は、売上げ、利益などの数字を目標に掲げていましたが、毎日現場で働く社員にとって会議室で話すような数字ってピンと来ないので、例えば稼働率については、1時間で成形加工が何回できたら達成したことになりますね、とか粗利益については成形1回あたり何円欲しいですよね、とかわかりやすい言葉で伝えるように心がけました。

今は工場ごとの小集団活動が活発に動いています。工場の床にペンキを塗ったり、作業しやすいように照明を変えたり、金型の在庫管理をしたり、とテーマを決めながら働きやすい環境づくりに取り組んでくれています。合宿は、毎年3つある工場のいずれか近くで泊まり、参加者全員で工場見学をし、改善点を出し合っています。合宿はあくまでも自主参加ですが、現在では社員の半数以上の45人ほどが参加してくれています。

現在取り組んでいるのが、人材の評価項目の見直しです。スキルと同時に人間性の指標の2本立てで評価するところがうちの特徴です。人間性の指標では、挨拶や身だしなみをはじめとして、失敗を恐れずに挑戦しているか、いろんなことに関心を持っているかなど、うちらしい社員像を盛り込んでいます。上司と部下で月1回面談をして浸透させているところです。

おかげさまでお客さんとの関係が深くなり、量産する前の試作品の開発、相談が必ず来るようになりました。また新たに医療機器関連や燃料電池分野の研究開発を進めており、社員が積極的に手を挙げて関わってくれています。

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▲工場ごとにいくつかのグループで取り組む5S・小集団活動の成果の一つ。汚れていた床を社員たち自身がペンキで新しく塗り替えたことで動線が確保され作業効率が上がった。また、作業時の安全性も格段に向上した。

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▲年々参加者が増えつつある合宿。合宿時には毎年、会社で取り組んでいるテーマについて外部から講師を呼んで講演を行っているほか、社員自身が研究、調査したテーマについての発表が行われている。

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▲食堂の前にある壁には社員たちによって改善された業務内容が写真とともに貼り出されている。

2013年07月08日
髙石工業株式会社
代表取締役  
髙石 秀之氏

設立/1948年
従業員数/75名
事業内容/工業用精密ゴム部品メーカー。水道、ガスなど公共分野の製品に使われるパッキンや封止材などを独自の配合で、国内一貫生産している。茨木市、兵庫県、鳥取県に3工場を持つ。

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