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超若手から大ベテランまで全員が輝く秘訣は?

2022.08.01

「新卒採用は久々のこと。全社を挙げて徹底してサポートし、育成しています」と力強く語るのは、サンライズ鉄工株式会社の代表、岡林氏だ。同社は顧客の高い要望に的確かつ即対応する技術力を強みに、東証一部上場企業などと直接取引を重ねる。

製造業で活躍する技能人材の不足が産業としての課題になる中、16歳2名と18歳1名という、意欲の高い“超若手”を採用した。「外部ブレーンの力添えで、熱心な生徒が集まる『大阪府立東大阪高等職業技術専門校』と知己を得ることができました。そこで“職場体験を通して働き方を経験させてもらえないか?”と話をいただき、快諾。その時からのご縁です」と入社のきっかけを語る。10年前には工業高校などから新卒を採用していたが、近年は中途採用が中心だったと言う。

会社見学の様子

「スキルアップはもちろん大切ですが、“人間力を身につけてもらうこと”が特に重要と考え、日々の教育と共に、マナー講師を招くカリキュラムなども取り入れています。若い3人が孤立したり、気持ちが萎えたりしないよう、大事なお子さんを預かっている気持ちです」と育成方針を語り、目を細める。

また「若いうちからセルフコントロールができるようになることも必要」と、細部にも配慮。手厚い支援により先輩たちとの関係は良好で、取材中は笑顔でOJTを受けているシーンが垣間見えた。「若手の入社はベテラン層にも良い影響を与えている。組織としても採用と育成は、貴重なノウハウを得るチャンス。今後に活かしていく」と。

今、同社には“超若手”から、72歳の大ベテランまで幅広い年齢層の仲間が集う。「50年に渡り現役を続ける職人は、当社の貴重な戦力であり、心構えも素晴らしく、その働く姿勢は社員達の手本となっている」と、会社の貴重な財産と捉え、敬意を払う。

こうした“社員を大切にする社風”は、岡林氏の想いと共に「組織のためには、人づくりが大優先」という、同社の信念に基づく。1年のスタートは、希望者とその家族が参加する初詣から始まり、ハイキングや焼肉大会、社員旅行などを開催。仕事上だけの付き合いではなく、社員同士の交流を育むことで、盤石な組織づくりを促進する。

社員旅行(台湾)

将来的には「100年、200年と歴史を紡ぎたい。そのため、強みをさらに磨くと共に、拡大をめざします」。既に関東に営業拠点を構え、関西以上の大商圏で取引先を増やしており、「ゆくゆくは生産拠点も持ちたい」と、岡林氏は笑顔で語ってくれた。

超若手から72歳の大ベテランまで、それぞれの持ち味を活かして、全員がイキイキと輝く同社。理念を軸に、着実な実行力で、安定した成長を重ねていく。

代表取締役社長 岡林 一郎氏

(取材・文/仲西俊光 写真/福永浩二)

サンライズ鉄工株式会社

代表取締役社長

岡林 一郎氏

http://sunrise3.com

事業内容/各種製缶加工、フォークリフトアタッチメントの製造