【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】消臭機能付き子供靴が年間10万足のヒット商品に
産創館の製造業のビジネスマッチングサービス「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」で、消臭機能付素材を開発するプロジェ・ジャパンと丸紅フットウェアのマッチングを行った。プロジェ・ジャパンが、それまで大人向けの靴で築いてきたインソール開発のノウハウを生かし消臭機能付きの子供靴を提案。子供靴に合わせた機能と素材を開発し、商品化が実現した。
プロジェ・ジャパンは、悪臭の原因物質を中和させ無臭化する技術を利用して消臭機能付繊維製品を開発、製造している。アルカリ臭や酸性臭など悪臭物質に応じて機能を加えることができ、かつ効果の持続性が高い強みを生かし、大手メーカーの靴や野球帽などに採用されてきた。
マッチング先の丸紅とは当初、アパレル、資材、靴など幅広い分野で商品化の可能性が話し合われたが、片岡氏は、ノウハウを持つ靴にターゲットを絞って交渉を進めることにした。
片岡氏は丸紅グループである丸紅フットウェアが有力な子供靴ブランドを持っていることに着目。「新陳代謝が活発な子どもは大人より足が臭う」ことを説得材料に、子どもの足から放たれる悪臭を消す機能、特殊な形状のインソールに合う生地を矢継ぎ早に提案し、商品化にこぎつけた。
2010年8月に発売した子供靴は当初想定していた4倍の売れ行きを記録し、年間10万足を売上げている。片岡氏はその後も提案を重ね、今年4月から発売されたシニア向けウォーキングシューズ「アンダンテ」でもインソール素材の一部に同社製品が採用された。「ノウハウのない分野で無理にやろうとするとうまくいかない。自信を持つ分野で実績を上げ、その後他の分野に広げていけばいい。だからこそまずは自社が得意な土俵に引き込むことが大事」と大手企業との連携のポイントを説く。
マッチングまでの流れ
2009年4月:産創館のナビゲーターが、丸紅から機能素材などの分野で新商材を探しているとの相談を受け、5、6社の技術を紹介。このうちプロジェ・ジャパンの抗菌消臭素材に興味が示された。
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同年4月:丸紅と初顔合わせ。グループ各社との商品開発に向けて双方で検討を開始し、プロジェ・ジャパンから消臭機能付き子供靴インソールとしての商品化を提案。商品化を進めることで合意。
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2010年8月:商品発売開始。年間10万足を売上げる大ヒット商品に育つ。
▲悪臭を中和する消臭機能繊維を採用いやなニオイのもとを解消
▲大阪産業創造館ナビゲーター 鈴木 喜彦氏(左) プロジェ・ジャパン 代表取締役 片岡 嵩氏(右)
株式会社プロジェ・ジャパン
代表取締役 片岡 嵩氏
従業員数/4名 設立/2004年
事業内容/悪臭物質を化学結合することによって無臭化する技術をもとに、素材の企画から開発までをコーディネートし。糸や生地を供給している。