異業種への挑戦 スペシャルティコーヒーで起業の夢をかなえる
大阪産業創造館 スタートアップ支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載【起業家図鑑】
起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。
vol.4 異業種への挑戦 スペシャルティコーヒーで起業の夢をかなえる
2016年12月、松屋町にスペシャルティコーヒー店 “ROASTERS COFFEE”がオープンしました。スペシャルティコーヒーとは、簡単にいえば “風味がすばらしく、おいしいコーヒー” のこと。開業したのは、元美容師で、グラフィックデザイナーでもある畠山光洋さん。
畠山さんは美容師をしていた時から「いつか起業したい」と思っていました。グラフィックデザイナーに転職した時も起業したいという想いは変わらなかったと言います。
起業したいと思った理由は2つ。
ひとつは、お客さんと直接かかわる接客の仕事がしたい。
そして、もうひとつは自分のブランドを持ちたいということでした。
美容師として接客に携わったこととグラフィックデザイナーでの経験がこの2つ貢献しています。
「ROASTERS COFFEE」のロゴやキャラクターのデザインは、すべて畠山さんによるデザイン。コーヒーの焙煎度の違いをわかりやすく伝えるために、キャラクターの表情で表現しています。
もうひとつこだわったのが内装。シンプルな空間にインテリアグリーンを置き落ち着いた空間を演出しています。
当初、30代の男性客をターゲットとしていましたが、現在は約7割が女性客。
SNSにアップされたロゴや、落ち着いた内装などの画像を見て、女性客が増えたのではないかとのことです。畠山さんは嬉しい誤算だと言いますが、しっかりとこだわってつくったコンセプトが自然と新しい顧客を開拓しているのだと感じました。
異業種からの起業はたくさん不安があると思います。しかし畠山さんのようにこれまで培った経験を存分に活かして起業する方も少なくありません。今までやってきたことを一度棚卸し、ビジネスにつながる強みを深堀りすることが起業という夢の実現につながるかもしれません。
(取材・文/大阪産業創造館 スタートアップ支援チーム プランナー 石嶺 一樹)