モノをストーリーに変える商品コンセプト
他人に自分のスマホを見せた時、画面に指の跡やファンデーションがベッタリついていたら、かなり恥ずかしいものです。慌てて「わわわ」とハンカチで拭いても、脂汚れは広がるだけ…。そこで、ものづくり企業集団・大阪ケイオスが開発したのが、スマホクリーナー「Picaho(ピカホ)」。製造現場で働く従業員が自分の汚れたスマホを業務用の刃物専用洗浄液を使ってキレイにしていたことが開発のヒントになりました。
とはいえ、初めて消費者向けにつくった商品です。「これまでは、ものづくり企業として受注先企業のメリットを提供してきた」と代表取締役社長の和泉氏。しかし、消費財は商品にストーリー性がないと売れません。
そこでマーケティングを行うため、大阪産業創造館の「モニターイベント」で女性モニター会員から商品に対する意見を聞いたり、専門家派遣サービスを利用。女性向けに狙いを絞り、「携帯でき、天然アロマの香りで癒されるスマホクリーナー」という商品コンセプトを固め、開発を進めました。
ネックとなったのは価格。モニター調査の結果から理想的な販売価格を設定した上で、オシャレなパール調の容器で高級感をプラスする一方、パッケージや台紙などの資材の方でコストダウンを図りました。また、充填や組立は、大阪ケイオスに所属する企業が担当。ものづくり企業集団として機動力も発揮しています。
手軽に生活を豊かにする商品としてシリーズ展開をめざし、ただいま販路を開拓中。私も女子力UPをめざして、今日もスマホを磨きます♪
▲大阪産業創造館主催の「消費者モニターサービス」で、顧客のターゲット像や価格帯を調査。
▲スマホクリーナー「Picaho(ピカホ)」。香りは、オレンジ・ローズ・ミントの3種類。参考価格1, 200円(税別)。
【筆者profile】
大阪産業創造館
大阪発☆ヒット商品開発サポート女子部 部長 トクナカ エミ
http://www.sansokan.jp/product/
「いいモノ」が「売れる商品」になってほしい、その想いを胸に、商品づくりに情熱を燃やす人々を女子力全開で熱く応援します!
株式会社大阪ケイオス
代表取締役社長
和泉 康夫氏
技術連携をはじめ、共同で行う広報や人材育成を目的に、ものづくり中小企業19社が共同出資して設立した。