スタッフ連載

【今月のえぇ話vol.02】安定供給を実現した資金調達、決め手は経営戦略

2014.07.09

2009年に創業した環境ベンチャー企業の株式会社アースクリエイト。樹脂製品の代用として使える環境製品「Stone-Sheet(ストーンシート)」を開発しました。社長の西宮祥行氏は、樹脂素材や製造工程に関して全くの素人でしたが、その道の専門家と出会ったことで事業を軌道に乗せてきました。

「Stone-Sheet」の魅力は、その素材としての可能性にあります。見た目や感触は樹脂からつくられる一般的な樹脂成形品とほとんど変わりませんが、原料に石灰石を50%以上含有した「石」から生まれた樹脂成形品なんです。燃やしてもCO2の発生は微量でダイオキシンの発生もなし。産業廃棄物でなく一般廃棄物として処理できるほか、原材料に木材を使用しないため森林資源の保護にもつながります。また、水に濡れても破れにくい特長があることから、大手百貨店の保冷包装紙や、都道府県の観光マップ、路線図などにも使われており、今後も農業用フィルムや食品販売用トレーなどの開発依頼も増えているそうです。

しかし、開発依頼が舞い込む中、社長は資金力と安定供給体制に課題を抱えていました。数億円を超える発注規模の開発案件を受けるためには、まず資金調達が急務。銀行や出資者を説得する事業計画書が必要でした。そこで参加したのが、大阪産業創造館の経営戦略講座。講座で取り組んだ経営戦略を関係者にアピールした結果、融資もおり、資本金も大幅に増資。安定供給体制が実現しました。

事業家としての資質の高さは目を見張るものがある西宮社長。創業からたった4年の小さな会社が、日本の一流企業を相手に堂々のビジネスを展開されていく様子を見ていると一種の爽快さすら感じます。事業拡大にリスクはつきものですが、今後も一つひとつ解決しながら前進していかれることでしょう。

水に濡れても破れにくい特長から各種ハンド袋、包装紙、ノート、本の表紙、弁当箱、食品包装箱など、さまざまな製品に展開できる。

nakane

【筆者profile】大阪産業創造館 マネジメント支援チーム 中根 巳貴男
大阪産業創造館のオープン当時から経営者向けのセミナーや連続講座を担当。
若手経営者だけではなく、スタッフにとっても「お父さん」的存在。

経営の基礎を総合的に学ぶ少人数制短期集中講座「経営ゼミ」
経営戦略のほか、資金繰り、キャッシュフロー、法務などのテーマも。
http://www.sansokan.jp/semi/

 
≪アースクリエイト 西宮氏も登壇≫
2019年7月9日(火)開催【ものづくりSDGsフォーラム】
製造業のイノベーションで
海洋プラスチックごみ問題を解決

国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」のひとつである海洋資源の保全。2050年には海上のプラスチックごみの量が魚を超えるという試算もあり、大阪で開催されるG20でも主要議題の一つとしてディスカッションされるなど、国内外の関心は非常に高いです。
国内の製造業事業者は当問題にどのように向き合い、海洋資源の保全に取り組んでいくべきなのか。官民から異なる立場のプレゼンターをお招きし、取り組み内容をご紹介します。
↓↓↓詳しくはコチラ↓↓↓
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=28064

株式会社アースクリエイト

代表取締役

西宮 祥行氏

https://earth-create.net/

事業内容/石灰石を原料とする炭酸カルシウムを50%以上含んだ樹脂製品「Stone-Sheet」の原紙・各種製品の卸売。「Stone-Sheet」は商標登録済。