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【ドロキア・オラシイタ長編】常に新しい驚きを仕掛け、チーズタルト専門店で海外進出

2014.07.09

>>> チーズタルトにはどんな工夫が?

まずチーズタルトといえば小さなカットものを想像されると思いますが、これを家族で食べていただけるよう、ワンホールでの販売を決めました。これがまず見た目の驚きです。そして価格です。当初は1,200円ほどで売ろうと考えていました。この値段ならしっかりと利益が取れます。

しかし、世の中を見渡すと牛丼は280円まで下がるなど低価格指向が強まっていました。そこで、品質、包装ともに高級なイメージを持たせながらも、高価なお持たせやギフトとは違い、家族や知り合いのところにも気軽に買って帰れるようなみんなに愛される商品にしよう、と考えました。価格帯を安価な設定にしましたが、当初予定していた利益は倍以上のお客様に購入いただくことによって得られるようにと考えました。

すなわち行列のできる店を作ろうとしたのです。
行列のできるお店というのは、周囲の興味関心を誘える上、さらなる集客とブランディング効果が得られるからです。

>>> そのためにはどうしたらいいか。

お並びいただいているお客様に効率よく商品を共有するためには、生産効率も上げていかなければなりません。もう一度製造工程を見直して、通常だったら30~40分かかる焼き時間を10分で焼けるようにしました。

その過程で一度焼きあがったはずの試作品が半焼けで出てきてしまったことがありました。それが食べてみると、今までにない食感ですごくおいしかったのです。そこで、ステーキのように焼き加減が選べるチーズタルトという、今までにないコンセプトを思いつきました。

「レア」と「ミディアム」の発想はここで誕生したのです。商品化に向け、原材料や配合にも徹底的に研究をしました。実は、焼き加減の違いをよりお楽しみ頂けるように「レア」と「ミディアム」では配合が違います。試作を重ね、みんなに美味しいと感じてもらえる味を極めました。

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>>> 接客のパフォーマンスも評判を呼んでいるようですね。

PABLOではタルトを売るだけではなく、接遇・パフォーマンスを通して楽しい時間を買っていただきたいという事を、日ごろからスタッフに指導しています。暑い中、寒い中、並びながら長い時間をお待ちいただいているわけですから、その間もお客様に最高の笑顔とあいさつ、そしてチーズタルトが出来上がると「イエス、パブロー!」と掛け声を合わせるなど楽しい雰囲気を演出することによって、価格以上の価値を感じていただければと考えています。チーズタルトを買いに来てくださったお客様が元気、笑顔になるテーマパークのような店作りをしていきたいですね。

>>> 今後の店舗展開は

チーズケーキは実は日本で一番食べられているケーキです。今は「PABLO」を伸ばしていこうと、国内だけでなく今年からは海外展開もスタートさせます。

「PABLO」は今、世界で最も注目されている洋菓子ブランドの一つになっているのです。大阪の心斎橋店には各国からの観光客も多く、売上げの20%程が外国からの観光のお客様によるものです。各国の旅行のガイドブックに取り上げられているようで、店舗前での記念撮影が観光の目的にもなっています。世界中のお客様に愛されている状況を大変嬉しく思っております。

チーズは万国共通で好きな人が多いということ、それにとろけるような食感の洋菓子が海外では珍しいということ、さらには外から厨房の様子を見ることができ、接客パフォーマンスも人気があること。これらの要素により、私たちの思い以上に世界中から注目されていることを肌で実感しています。

現在、年内にフィリピン・韓国出店を予定しており、今後はアジアのみならず世界中に店舗展開を計画しております。舞台を世界に、新しい驚きを提供し続けていきます。

いったんは縮小した「パティスリーブラザーズ」についても、専門店化をめざして現在戦略を練っているところです。これからも時代の流れを読みながら、常識にとらわれない柔軟な発想でお客さまをあっと驚かせ続けていこうと考えています。

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株式会社ドロキア・オラシイタ

代表取締役 

嵜本 将光氏

http://www.drq.co.jp/

焼きたてチーズタルト専門店「PABLO」を全国に8店、洋菓子店「パティスリー・ブラザーズ」を東京に1店、カフェ業態の「BROTHERS Cafe」を大阪に2店展開している。