【事業承継相談窓口の舞台裏】連載vol.4 同じ世代、同じ立場の相談相手
2014.04.09
大阪産業創造館の【若手後継者のための勉強会】では、毎回終了後に懇親会を開いています。「後継者が共に学び交流する場を」と、この勉強会を始めて2年。終了後の懇親会もずっと続けてきました。下戸なのに「飲めるやろ」と思われがちな私も、「荒井さんはウーロン茶」というのがようやく定着してきました。
勉強会の参加者のうち2/3の方は懇親会にも出席。「そんなのただの飲み会やろ」と思われそうですが、侮るなかれ。本当の学びは、この場かもしれません。
勉強会に参加される後継者の大半が、「何かしないといけない。でも何をしたらいいのか、何ができるのかわからない」と“焦って”参加されます。その背景には、「現社長（先代）との関係」「先代が採用した社員との関係」「会社の将来」「経営者としての自己育成」など悩みはさまざま。では、誰に相談すればいいのか。家族・友人・先輩経営者に相談するも何か物足らない。そのため、同じ世代の同じ立場の相談相手を求めるのですが、なかなか見つからない。
この勉強会に参加して悩みを共有することで、多くの方は「焦り」が減ったそうです。他の後継者の話を聞き、自分のことも話し、自身を客観的に見ることで初めて気づく。自分を見つめなおす時間になっています。
先代社長のみなさん、後継者が遊んでいるように見えることもあるかもしれませんが、少し見守ってあげてください。
後継者のみなさん、どんな時間も有意義に過ごせるかはあなた次第。ただし、懇親会だけの参加はできませんのであしからず…。
▲大阪産業創造館 事業承継なんでも相談所 荒井 祐己子
経営者対象のセミナー講座や若手経営者のためのビジネススクール「なにわあきんど塾」を担当。長年耳を傾けてきた経営者の生身の声をもとに同プロジェクトを立ち上げた。
