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廃棄野菜が染料に自然の色合いを再現するタオル

2024.06.05

野菜の色をタオルで表現した「雫~SHIZUKU~」シリーズ。ジュースに使われた後の絞りかすや、形が不揃いで流通せず廃棄される野菜の皮や実を原料に染められている。手掛けているのは創業1926年の袋谷タオル合資会社。代表の袋谷氏の、従兄弟が営む漬物店で見た「水なす」の美しさが開発の契機だ。まるでヴィンテージジーンズのような水なすの皮の紫色でタオルを染めることができたら面白いものになるかもしれない。そこから試行錯誤が始まった。

野菜のやさしい色合いに染まったタオルたち。

染色会社と実験を繰り返し、染料を抽出。従来の草木染に比べて洗濯時に色落ちしにくく、発色も良い。「古くなった野菜を染料に使うと成分のバランスが変わってしまって濁った色になる。食べる時と同じで、染める時にも鮮度が重要ですね」。水なすで染めたタオルを従兄弟の結婚式の引き出物にしたところ、予想以上の好反応が得られ、自社ブランドとして製品化への弾みがついた。

タオルの中の野菜形カードに印刷された二次元コードを読み取れば、生産者につながる仕掛け。

地元の農家との出会いから、泉州たまねぎや松波きゃべつ、彩誉にんじん、大阪産バジルも取り入れ、現在は5つの野菜から皮や実で染め分け7色でラインナップ。2019年に開催された「G20大阪サミット」では参加国へのお土産の一つとして採用された。薄手でかさばらず、乾きやすい泉州タオルの魅力と野菜のやさしい色合いが諸外国の方々にも喜ばれ、海外展開への自信を得たと袋谷氏。現在は国内だけでなく、9か国で販売されている。

にんじん色のタオルが出来上がるまで

OEMで企業名を織り込んで、粗品や記念品を作って間もなく百年。タオルというコミュニケーションツールを媒介に、もったいない精神と地域の魅力を乗せて世界へ。「雫~SHIZUKU~」にはそんな想いが込められている。

代表 袋谷謙治氏

(取材・文/北浦あかね)

袋谷タオル合資会社

代表

袋谷 謙治氏

https://fukuroya-towel.com

事業内容/袋織・オリジナル・名前入タオ ルの企画、自社ブランド製造販売