Three Riversの「楽勝ボタン前あきストレッチシャツ」で、着替えの壁をなくし自由な社会へ
手や肩に痛みやケガ、麻痺などの障がいがあり不自由な思いをしている人のために片手でも着やすい「楽勝ボタン前あきストレッチシャツ」を開発した仲村氏。伸縮性に優れた生地を使用し、大きめのボタンをゴムで留めているので扱いやすくリハビリになることも特長だ。「仕事や外出にも対応できるデザインに仕上げた」と細部までこだわりが詰まっている。
仲村氏は病院勤務や障がい者施設での介助の仕事の経験に加え、自身が利き手を骨折して着替えの大変さやパジャマのような服しかないことを実感。高齢になった両親が、肩の痛みから得意だったものづくりをやめたり、着替えが辛くて外出も諦めるようになったことから、「服の着脱ストレスが社会参加の壁にならないようにしたい。片手で着やすいお洒落なシャツが見つからないなら自分で作ろう!」と2019年から動き始める。
縫製工場探しに苦労しながらも品質の高い工場に依頼でき、こだわりの素材を集めて2020年に創業。製造を開始したがゴムの結び方の強度をもっと上げたいと思い直し相談したところ、すでに半数が製造済みだったため、その分は自分でゴムを付け直した。ECサイトや催事で販売を開始すると顧客から「やっとめぐり合えた」「七分丈も欲しい」などの喜びの声が届くようになる。
2022年に大阪製ブランドに認定され、着実に認知度を上げているが「まだまだ模索中です。今必要としている方に早く届けたい」と今後はネットショップとの提携も進めていく予定だ。
(取材・文/三枝ゆり)