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株式会社AtoJが提供する未払い問題の新解決法、オンライン紛争解決手続「ワンネゴ」

2023.07.18

オンライン上で紛争解決手続を提供するODR(Online Dispute Resolution)が関心を集めている。ODRでは、紛争当事者が時間・場所の制約から解放され、実際に会って話し合いをするよりも心理的負担が和らげられる。令和元年9月27日より内閣府で「ODR活性化検討会」が開催され、令和2年10月2日より法務省で「ODR推進検討会」が開催されるなど国もその普及に努めている。

さまざまな紛争があるなかで、株式会社AtoJが提供を開始した「OneNegotiation(ワンネゴ)」は主に「100万円以下の少額債権」のトラブルにターゲットを絞っている。例えば、賃貸マンションの家賃未払い、クリニックの診療費未払い、スポーツジムの会費未払いなどだ。そこに着目した理由について「お金のトラブルの主な解決方法には、直接交渉・代理人弁護士による通知(内容証明郵便等)・訴訟提起の3つしかなく、特に100万円以下の少額債権の場合、督促の労力や手続の煩雑さ、手続費用などを考えるとそのほとんどが泣き寝入りせざるを得ない現状にあった。テクノロジーの力があれば、これまで泣き寝入りを強いられてきた領域にも、司法アクセスを提供できるはずと考えた。」と冨田氏は語る。

同社は、代表取締役CEO森 理俊氏の呼び掛けに応じた大阪弁護士会ベンチャー法務プロジェクトチームに所属する現役の弁護士5人により2020年に創業され、Access to Justice、より多くの人に司法へのアクセスを提供することを理念にスマホ上で債権者(お金を支払ってほしい側)と債務者(支払いを求められた側)の紛争解決をめざす「ワンネゴ」の開発に着手した。

債権者は「ワンネゴ」のシステムに、債務者の名前、連絡先、未収額の3項目を入れるだけ。自動的に作成される申立書が、入力された連絡先に送信される。債務者は、申立書を確認後、「全額支払う」「末日から分割で支払う」「請求に身に覚えがない」などの選択肢をタップするだけでよい。「オンライン調停に進む」という選択肢をタップすれば、債権者と債務者の話し合いをサポートするオンライン調停人を交えたZoom会議に進むことが出来る。AtoJには回収できた額の24.2%が手数料として入る仕組みになっている。2022年9月からスタートしたβ版での合意成約率はおよそ2割だという。

今後は、未収債権が一定割合で発生する事業者や自治体に対して「ワンネゴ」の活用を提案していく。債権者・債務者の実際のやり取りを踏まえ、どうすれば双方にとってアクセスしやすく、話し合いをより円滑に進めやすいかを検証しながら、サービスを磨き上げていこうとしている。お金を回収したいと思っても、いきなり訴えて裁判をするのはハードルが高いもの。「誰だって債権者や債務者の立場になる可能性はある。話し合いで解決できるワンネゴを社会のインフラにすることで、世の中から泣き寝入りを1つでも無くし、みなが安心して生活できる環境をつくれるはず」と認知度向上を図りながら、まずはインフラ足り得るサービスに磨き上げることに注力する。その先には国際紛争解決への展開も見据えている。めざすはユニコーン企業だ。

代表取締役COO 冨田 信雄氏

(取材・文/山口裕史)

 

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◎AtoJの詳しいページは↓コチラ↓
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株式会社AtoJ

代表取締役COO

冨田 信雄氏

https://service.1nego.jp/

事業内容/金銭債権に特化したオンライン上の紛争解決サービス