ものづくり

昆虫から小惑星探査機まで、700種類が揃う3Dペーパーパズル

2021.11.05

 
創業から半世紀。企画・デザイン・撮影といったクリエイティブワークを原点に、社内一貫体制で「印刷全般」「ディスプレイ」「3Dペーパーパズル」の3事業を展開するウラノ。いずれも高い技術力を必要とし、環境や人にやさしく、温かみのある紙を扱うのが特徴だ。

今回紹介するのは、子どもから大人まで楽しめる3Dペーパーパズル。独自のレーザーカット技術で、生物のリアルな構造やロボットなどの最先端技術を精巧に表現。シートから外したピースを順番に組み立てるだけの手軽さと、手づくりする達成感が魅力で、クオリティーの高い完成品はインテリアにもなる。

 

常務取締役 統括部 畠山武司氏(左)、営業本部 部長 滝本伸一氏(右)

 
3Dペーパーパズルの製作を行うようになったのは、社内にレーザーカット機が導入されたことがきっかけ。細部まで繊細に加工できる技術を使って、製作スタッフが大きな昆虫の立体パズルを試作した。「これがよくできたので、つぎに原寸大の昆虫をつくってみたら好評。一般のお客様にも受け入れられると確信しました」と話す畠山氏。

商品化するまでには試行錯誤を重ねたが、その後「昆虫シリーズ」「恐竜シリーズ」とラインナップを拡大。現在では18ピースの昆虫から、260ピースの小惑星探査機「はやぶさ2」まで約700種類が揃う。

 

 
「当初は印刷営業のかたわらパズルの営業をしていたので、帰社後にお客様に見ていただくパズルをせっせと組み立てる毎日。そうやって少しずつ販路を広げていきました」と振り返る滝本氏。

なかでも、両氏の一番の思い出は福井県立恐竜博物館への営業だという。オリジナル商品をつくらせてほしいと熱心にかけあった結果、博物館監修のもと、骨格標本から精密に再現した「フクイラプトル」の3Dペーパーパズルが誕生。伝統工芸の越前和紙を用いた風合いある商品は、世間から注目を集めた。

 

 
以来、日本全国の水族館、動物園、美術館、商業施設などで、ウラノの3Dペーパーパズルを扱ってもらえるようになった。例えば、レーザーカット加工と紅型和紙を用いたピアスが沖縄の水族館に採用されるなど、オリジナル商品の企画提案も積極的に行っている。

簡単なパズル形式の切り絵になっている「日本の風情シリーズ」や「兜名将シリーズ」などは、各地土産物売場の人気商品だ。

 

兜名将シリーズ

 
「世の中にワクワク感を届けたい」と望むウラノでは、本社敷地内のアンテナショップの横に、いつでも気軽に購入できる3Dペーパーパズルなどの自動販売機を設置することにした。

 

今月から稼働の3Dペーパーパズルなどの自動販売機

 
お客様のニーズが知れたり、楽しんでもらえる場所になればと、全社員でアイデアを出し合いながら今後も取り組んでいく。

 
(取材・文/花谷知子)

株式会社ウラノ

常務取締役 統括部 畠山 武司氏
営業本部 部長 滝本 伸一氏

http://www.urano.co.jp

事業内容/広告制作・印刷全般、エコディスプレイ什器・3Dペーパーパズルの企画、設計、製作、販売