より香りを楽しめるカプセル商品も開発
フレグランス(化粧品)、食品を中心に各メーカーからの香りにかかわる幅広い要望に応えている。化学合成原料だけでなく、天然物由来原料にも早くから着目。
とくにお茶から抽出した成分であるフラボノイド(カテキン)では先駆けの存在で、今も飲料やキャンディー、石けんなどに数多く供給している。派生して抽出物製造の依頼も多く「現在は地域特産品向けに特産物の抽出エキスを多く製造している」と豊島氏。
ユーザーと具体的な香りのイメージについてやり取りを重ね、サンプルを提示。改良を繰り返して求めるものに近づけていく。
近年は自然志向から天然原料への関心が高まっており、また製品に香料を混ぜやすくするために使われていたアルコールや活性剤を使いたくないというニーズが増えている。「おのずと使える原料が限られてくるなかでいかにイメージに近づけていくか調香の腕が問われる」。
グループ従業員のうち3割を技術者が占める技術指向型企業。「小ロットからでも受注していること」が強みで、フレグランス、食品ともに年間1000を超えるサンプルをつくっている。これらのノウハウを蓄積することで次の開発につながっている。
新たに香り成分をカプセルに閉じ込める商品も協力企業と検討中だ。通常は膜に覆われているが、使う時に膜をつぶすと香りが一気に広がり、膜成分も消える。まずはフレグランス向けに展開するが、今後は食品向けへの応用も考えているという。
▲データでは出てこないイメージに合う香りをつくりだす調香師の役割は大きい。
▲営業部 課長 豊島 学氏
(文・写真/山口裕史)