スタッフ連載

顧客ニーズの再検証で海外販路開拓、売上倍増

2014.06.09

今回ご紹介するのは、2009年に創業した木のおもちゃを企画製造する株式会社Kukkia(クキア)さんです。塩見社長から相談があったのは、2人の女性デザイナーがプロデュースする自社ブランド「gg*(ジジ)」の販売戦略についてです。デザイン性と品質が高い分、価格も高いため、売上げが予想より振るわず今後の方向性について悩んでいらっしゃいました。

当時、最重要課題だったのは「今後、会社が向かうべき方向性が不明瞭」という点。まずは「自社の強みは何か、顧客に対して提供できる価値は何か」について、塩見社長とともに洗い直しました。

その過程で、「自分のデザインを商品化したいと望むデザイナーの存在」や、「海外では素材を活かしたシンプルなものが求められている」ことに着目。そこで、自社の強みであるデザインに対する目利き力や海外生産ネットワークを活用して、デザイナーとエンドユーザーとの間に自社が介在することで新たな価値を生み出す新規事業を立ち上げることになりました。

その結果、デザイナーとのコラボレーションや値ごろ感を売りした新ブランド「kiko+(キコ)」を立ち上げ、欧州の見本市に出展。10か国のバイヤーから受注し、2013年末には前年同月の約2倍となる売上増を実現。新たな顧客層も開拓でき、経営の安定化につながりました。

商品に対する想いが強いと、高品質のものを相応の価格で提供しようとしがちですが、自社の強みや顧客のニーズに立ち返るとまったく違う方向性が見えてくるものです。ただ自社を客観視するって意外に難しい(笑)。私たちのようなコンサルタントをうまく使ってください。でも「答え」はあなたの中にある。しっくりくるよう引き出します!

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▲「gg* 」、「kiko+ 」のおもちゃや雑貨、子ども服などを展示販売するショップ「Kukkia101」が今年3月にオープン。

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【筆者profile】大阪産業創造館 スタッフコンサルタント 東 純子
中小企業診断士。経営者や起業家にとって時に熱く、時に厳しい頼れる姐さん。ワインと日本酒をこよなく愛する「醸ラー(カモラー)」。
大阪産業創造館の「経営相談室」では、創業準備、法律、経営に関する悩みを
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株式会社Kukkia

http://kukkia.co.jp/