全国各地で技術支援をしている公的機関
中小企業の商品開発や海外展開の支援に取り組む元金融マンの竹内心作がお届けする連載コラム。知っておくと、いざという時に役立つ情報を紹介します。
「そうだ 京都、行こう」言わずと知れたJR東海の名コピーである。
このフレーズの秀逸さは、誰もが日本に京都があることを知っていながら、改めてその良さに思いが至った瞬間を端的に切り取った事にあるだろう。
中小企業の海外展開を支援する公的機関の存在もよく似たものだ。あることは知られているが、忙しい日常でその良さは気づかれにくい。
本連載ではそんな公的機関にスポットを当て、「そうだ 支援機関、行こう」と一人でも多くの方に思っていただけるよう、使えるサービスや事業を解説していく。
「そうだ 支援機関、行こう」の第12回目で取り上げるのは、公設試験研究機関だ。
この連載では主に、人材採用や海外展開に関するサポート機関を紹介してきたが、製造業の方から「技術面の支援をしてくれる組織はないか?」とのお声をいただいた。
そこで今回は、大阪はもちろん、全国各地で技術支援をしている公設試験研究機関を紹介したい。
彼らの支援メニューは多岐にわたるが、まずは技術相談だ。
「新技術を活用したい」「トラブルの原因を探りたい」「技術上の問題についてアドバイスを聞きたい」などの悩みに対して専門の研究員が相談に応じてくれる。場合によっては現地で指導もしてくれる徹底ぶりだ。
もう一つは、センターが有する機器や設備を安価に使用させてくれることだ。
工作機械など長年にわたり使用する物は企業側で購入すればよいだろうが、例えば新製品を開発している途中で一時的に検査機器が必要となるケースがあるだろう。
一回使用するために何千万もかけて検査機器を購入することはできない。そのような時に、研究機関が保有している機器を使わせてもらえばよい。
使い方まで研究員が懇切丁寧に指導してくれるので、高額な機器も安心して使用することができる。
公設試験研究機関は各都道府県がそれぞれに設置している組織なので、得意な研究分野が地場産業であることが多い。京都なら織物(紡績)、奈良なら薬業といった具合だ。
ご自身が住む地域で盛んな産業を調べてみても面白いだろう。
【公的機関データ】
地方独立行政法人 大阪産業技術研究所(大阪府の公設試験研究機関)
https://orist.jp/
<本部・和泉センター>
大阪府和泉市あゆみ野2-7-1 TEL 0725-51-2525
<森之宮センター>
大阪市城東区森之宮1-6-50 TEL 06-6963-8011
地方独立行政法人 大阪産業技術研究所