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【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】機能性フィルムに添加剤を加え、生産性が大幅に向上

2013.07.08

baner

産創館の製造業のビジネスマッチングサービス「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」で、機能性フィルムを製造する恵和と高機能添加剤を製造する丸菱油化工業を引き合わせた。丸菱油化工業が開発した添加剤を使用することで恵和が抱えていた機能性フィルムの課題を解決。

恵和の主力製品の一つに電子部品に使われる機能性フィルムがある。機能性フィルムには、後工程の加工やカットをしやすくするために特殊な添加剤が使用されている。しかし、温度や湿度などの環境次第で添加剤が変質し、加工に悪影響を及ぼすことがあった。

当時、顧客からの要望で、増産に向けて生産性アップが求められている状況だった。そこで紹介された丸菱油化工業の添加剤を使用してテストをしてみることに。従来の添加剤よりも品質が良く、使用量も少量で済み、生産性が大幅に向上した。最大の難関となった環境試験では、温度60度、湿度90%、1000時間の条件下でフィルムが真っ白に変質してしまうこともあったが、両社の生産・技術部門で繰り返しミーティングを重ね、一つひとつ課題をつぶすことで製品化にこぎつけることができた。

機能性フィルムの納入先であるメーカーにも「不良率ゼロ」「工程トラブルがなくなった」と好評で、生産性が大幅に向上した。その後、防錆、難燃などの機能についても一部丸菱油化工業との連携で商品化が実現している。長村社長は「ナビゲーターは当社の技術を深く理解した上で幅広い情報を持ってきていただけるので安心して相談できる」と話す。

マッチングまでの流れ
2003年:産創館のナビゲーターが丸菱油化工業を訪問したところ、特殊添加剤について販路開拓の相談を受けた。いくつかのマッチング先の一つとして恵和を紹介し、両社担当者による討議がスタート。

2004年:恵和が丸菱油化工業の添加剤を使用した機能性フィルムの商品化についてゴーサインを出し、最大の難関となる環境試験をクリア。

2005年:当時、増産が続いていた電子部品向けに出荷され、売上げを伸ばしていった。

keiwa

▲大阪産業創造館ナビゲーター 水野 潮路(右) 恵和株式会社 代表取締役社長 長村 惠弌氏(左)

恵和株式会社

代表取締役社長

長村 惠弌氏

http://www.keiwa.co.jp/

従業員数/406名 設立/1948年
事業内容/シーティング、コーティング、ラミネーション技術を使い機能性を加えた特殊紙、フィルムの製造・販売を行う。2009年、経済産業省による「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれている。