≪講演録≫1日4000人が来るお店「パティシエ エス コヤマ」の魅力に学ぶ

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目の前に起こり続ける「やらなくちゃいけないこと」を楽しむ

実は、オープン初日から「失敗した」と思ったんです。予想をはるかに超えるお客様の数に、妄想のなかで描いたレイアウトを後悔。絶対改装しなければ、お客様にご迷惑をおかけすると思いました。このように、やらなくちゃいけないことが目の前に起こる。それをクリアしたら、また次の問題が待っている。やらなくちゃいけないことを、モチベーションを上げて楽しめるかどうかです。

現在、「エスコヤマ」に来られるお客様の滞在時間は、平均3〜4時間。さらにもっと長くいたいと思っていただける、エンターテインメント性のあるお店にするために、お客様一人ひとりが主人公になれるフォトジェニックな空間が必要だと考えています。「エスコヤマ」に行けばつい写真を撮ってしまう空間、パッケージなどが、お菓子をもっとおいしくしてくれます。

焼き菓子は棚に並べるだけでなく、ショーケースに入れて演出する必要があります。ギフトを買われるお客様は、日常生活の中にギフトが必要なシーンがある方が多いということを理解する勉強も必要です。

自分が伝えたいこと、表現したいことが世間で大絶賛されるか

僕がこれからやらなくちゃいけないことは、デコレーションケーキ専門店のオープンです。地元、三田の方々には、お店が混雑して買いにくいというご迷惑をかけています。素敵な、ここにしかないようなデコレーションケーキが食べられる来店式のお店をつくり、特別注文も受けます。

5年後には、本店改装を予定しています。同時に、三田の観光地化推進のため、三田郊外にさまざまなレストランがつくれるように地目変更を行政にお願いしています。食事をするために、世界中から旅をしてやってくるスペインのバスク地方の「サンセバスチャン」のような街づくりです。一日中いても飽きない三田が誕生すれば、次は泊まらないと見きれない三田へと、ステップを踏みながら進めていきたい。地域のことを考えながら、「エスコヤマ」のことも考え、地域とともに成長していくのが、今後10年の課題です。

最後に、起業家にとって重要なポイントを挙げるなら、「人が集まる人間になれているか」ということ。自分がおもしろい人間か。自分自身がおもしろいと思うことで、世の中を大絶賛の嵐に巻き込むことができるか。これは、本業の特殊能力以上に大切なことだと思います。

僕は自分の基準、スタンダードレベルを常に高く掲げてきました。常に他人とではなく、昨日の自分との勝負です。もし、みなさんが昨日の自分との勝負に勝ったものが世の中に通用しないなら、もっと格上と勝負してみてください。それを続けて、ものづくりができるようになったら、もう他人と勝負しなくてもよくなりますよ。

(取材・文/花谷知子)

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2016年10月27日
株式会社パティシエ エス コヤマ
代表取締役  
小山 進氏

今月の町工場で働くオトコマエ

ゲンバ男子

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