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制限なくして青天井をつくる

事業承継は「終わりのない駅伝」

18歳のときに創業者である父を亡くし、工業用ブラシメーカーの事業を継いだ現会長の末松大幸氏。「親父が他界してからは何もわからずもうむちゃくちゃ。でも食べていかなあかんので、無我夢中で仕事をした」と当時を振り返る。同業者からは価格競争を仕掛けられ、顧客を奪われた。しかし、「あの環境に身を置いたことで反骨精神や、したたかさが身についた」という。創業者から二代目の末松会長へのバトンパスは突然だった。だからこそ三代目には路頭に迷う事業承継はしたくなかった。「2年前、当時27歳の長男にバトンを手渡すことができたのも、早くから会社を継がせる準備をしてきたからだと思います」。

2008年に社長を引き継いだ三代目の末松仁彦氏。家業を継ぐ意識は子どもの頃に芽生えたという。「中学時代から休みのたびに仕事を手伝い、常に社長の息子という目で見られていましたから。でも、この会社の社長で終わりたくないという思いがあったのも事実ですね」。大学3回生のとき、中小企業の経営者と北欧企業を見学するツアーに参加して迷いが消えた。「参加者の中に親の会社を継いで業績を伸ばし、いきいきと働く経営者がいらして。その姿を見たとき、若いうちに会社を継ぎ、事業を成長させるのも面白いかなと感じたんです」。

承継後は「三代目が社員とうまくやっていけるか不安だった」と末松会長。かつての同氏は「瞬間湯沸かし器マネジメント」と言われるほど、感情のままに社員にきつくあたったり、無理矢理型にはめる指導をしてきた。「だからこそ私を反面教師にしてほしかった」。一方の現社長は「社員さんとの関係は良好です。それも会長の支えと社員さんの協力があるからこそ」と謙虚だ。課題は「全社員でビジョンを共有し、それに向かってベクトルを合わせて大きな力を生み出せるかどうか」。親子共にコーチングを受け承継に備えた。また親子でコーチングスキルを学び、実践を通じて人を心から動かす方法も学んだ。世代が代わり、会社がどう変わるか。事業承継を「終わりのない駅伝」と語る三代目の走りっぷりに期待したい。

バトンを渡した側が口を出さないこと

2008年、父である末松大幸社長(当時57歳)が会長へ、長男である末松仁彦氏(当時27歳)が社長へ就任した。会長曰く、事業承継のスローガンは「制限なくして青天井をつくること」だった。「経営を渡した側が口を挟んではダメ。見守り、失敗させ、自分の頭で考えさせることが大切です」。

世代交代後にリーマンショックで業績が落ち込んだ。「経営を渡すには絶好のタイミングでした。100年に1度の危機ですから。ボロボロになったらええ」。そんな愛の鞭を受ける現社長は、「開発力をいま以上に高め、3年以内に新市場への進出を果たしたい」と先を見据える。さらに5年以内に海外進出を果たし、輸出を事業の柱にしたい考えだ。

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2010年04月10日
株式会社バーテック
代表取締役会長 末松 大幸氏(右)/ 代表取締役社長 末松 仁彦氏(左)

設立/1962年7月 資本金/4,500万円
従業員数/16名 事業内容/工業用特殊ブラシや衛生管理ブラシ、防虫防鼠シールブラシの設計開発・製造・販売を行う。ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、ISO27001(情報セキュリティ)を認証取得し、継続的改善を強みとした顧客目線の経営に徹している。

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