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社員も金融機関も対等 遺言も預ける信頼関係で密にやり取り

30年ほど前にビール・酒類の運送を始めた頃のこと。夏冬の繁忙期になると自社トラックだけでは間に合わず、協力してくれる同業者を探していた。ある時、地方ナンバーの車が荷台を空にしたまま走っていることに気づく。「通常のトラック輸送は、目的地で荷物を下ろしてしまえば、帰りは荷台を空にしたまま戻る。その空車を有効活用できないか」と考えた。空荷の帰り便と荷主のマッチングを手配代行する「帰かえりにかえりぐるま荷帰車」のサービスはこうしてスタート。今では数千社の運送業者、荷主が利用する規模にまで育った。

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▲「帰荷帰車(かえりにかえりぐるま)」の事業スキーム。
毎日、営業担当者が配車表をもとに、荷主、運送会社双方にメリットが出るよう手配する。


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▲運送会社、荷主とは頻繁な電話によるコミュニケーションを欠かさず、関係を強固にしている。

このアイデアの発案者である夫・武雄さんは1997年に他界し、後事を託された堀内氏。それまで経理のみを任されてきただけに戸惑いの日々が続いたが、持ち前の明るさで運送の現場に顔を出し、ドライバーのよいところを見つけてはほめた。ばねになったのは嫁いだ直後に同級生からかけられた「何でまた運送屋に」という言葉。「なんとしてでもドライバーの地位を上げたい」との思いで、ドライバーにあいさつを徹底し、服装を注意し、待遇改善にも取り組んできた。「先々代、先代から言われた、“社長は社員よりもえらいと思うな”“社員ががんばっているからこそ社長でいることができる”という教えを今も守っている」という。社員の表情がいつもと違うと感じれば声をかけ、社員のプライベートの相談にも乗る。社員の配偶者がこっそり堀内氏に相談に来ることもあるという。「夫婦が円満でないと仕事にも打ち込めないでしょう」。

その姿勢は、出入りする金融機関の担当者に対しても同じだ。永和信用金庫の営業マンとはもう数十年来の付き合いになる。ここでも話は商売のことだけに留まらず、プライベートにまで及ぶ。「住宅購入の際も親身になって相談にのってくれたり、いつもこちらのことを考えて付き合ってもらっている」。かつて親族で台湾に行った際には、「何かあった時には社員に手厚く」との旨を記した遺言書を預けたほどの強固な信頼関係がそこにある。

現在は、丸共グループ4社中1社の丸共協同株式会社を二女の章江さん夫婦に経営を委ねつつある。「帰荷帰車」を追随するサービスは増えたが、その中にあって章江さんは「それぞれの荷主、運送会社の特性をしっかり把握し、それぞれの気持ちを汲んだサービスを心掛け、さらにビジネスを広げていきたい」ときっぱり。丸共スピリッツがしっかり受け継がれている。

 

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永和信用金庫 本店営業部
伊吹 大輔氏

 当金庫では、企業様とお付き合いをさせていただく場合、決算書の内容だけでなく、経営者の経営能力や人柄、その他決算書には出てこない非財務情報も加味して判断するようにしています。堀内社長は、明るい人柄で会社をぐいぐい引っ張る経営者。週に2回程度訪問しておりますが、社長はビジネスマナーを社員の方に厳しく徹底されているのですが、私自身できていないことも多く、いつも勉強をさせていただいています。単に会社としてのお付き合いだけでなく、社長、そしてご家族のプライベートのことまでご相談をいただいています。これからも公私にわたって応援させていただきます。

2012年08月10日
丸共グループ
代表取締役  
堀内 有子氏

会社データ設立/1972年従業員数/90名事業内容/50台超のトラックを保有する運送会社グループ。丸共運送株式会社(運送業)、丸共協同株式会社(運送取扱業)、親和サービス株式会社(運送業)、共和サービス株式会社(運送業)の4社で構成される。

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