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シリコーンゴムに特化 難易度が高い印刷・表面処理を可能に

2012.09.10

ゴム原料などの販売を中心に25年前からシリコーンゴムの練り加工を展開、近年ではキッチン用品・家庭用品などの消費財OEM製造も手がける山森商事株式会社。素材について知り尽くしているので、顧客がゴム素材に求める機能に対応して独自の配合と練り加工技術で柔軟に対応ができるのが強みだ。

特にシリコーンゴムへの多色印刷・特殊表面処理に自信を持つ。シリコーンゴムへの印刷・表面処理はシリコーンゴム自体が持つ、離型性・はっ水性という特性のため一般的に難しいとされるが、同社は簡単に印刷・表面処理が可能な独自技術を開発した。例えば、通常の印刷を施したシリコーンゴムを伸ばすと印刷が割れてしまうものも多くみられるが、同社の技術を使えば伸ばしても印刷が一緒に伸び元に戻る。また多色印刷の場合、通常の印刷方法では一色を印刷するたびにシリコーンゴムに加熱する必要があり、そのたび発生するシリコーンゴム本体の縮みにより色ずれ等の印刷不良が起きるが、これを回避する一括多色刷り方式を生み出した。さらにこれらの技術を応用して、ゴム素材特有の粘着性をなくしサラサラとした手触りになる表面処理も実現した。

また、国内のゴム製品製造業者とのネットワークも強化。材料を供給する山森商事が中心になり得意分野が違う製造業者と横連携することで、顧客のニーズに素早く対応でき、小回りのきくものづくりを可能にしている。安価な海外品が市場に押し寄せる中、「メイドインジャパン」の高い品質と迅速な対応で勝負している。

さらに、通販メーカーなどからOEMで持ち込まれる家庭雑貨などの商品提案についても力を入れている。社員に毎週数件のアイデアを出すよう目標を課しており、毎月2~3件の商品が企画され、年間約20~30アイテムが開発されているという。今後は、女性や子どもをターゲットにした商品開発にも力を入れ、シリコーン製品市場の拡大をめざしている。

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▲OEMで作ったかかとの保湿カバー。社員のアイデアから生まれたものだ。

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▲引っ張っても印刷が一緒に伸びるのが特長。

山森商事株式会社

代表取締役

山森 啓司 氏

資本金/1,000万円創立/1975年 従業員数/30名