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【あぁ、麗しのファミリービジネス】Vol.15 世界一の長寿企業大国NIPPON 存続力には理由がある、長寿企業の経営哲学とは

【勝手に分析 Bplatz総研】

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何より存続、規模の拡大より安定経営

 長寿企業は、急激な規模の拡大を好みません。最優先すべきは企業存続。規模とリスクは正比例、「身の丈経営」を標榜する社長さんがとても多い。めざすのは小さくても強い会社です。そして、長い歴史の中で「商売はいい時もあれば悪い時もある」ということが語り継がれているせいか、儲かった時に調子にのって社長室をゴージャスにしたり投機に興じたりすることもなく、いつだって質素倹約の精神を徹底しています。

長寿企業こそ挑戦している、手堅くバントで関連多角化

 目まぐるしく変わる時代の中で、存続は世の中に必要とされ続けるということ。一見保守的に見える長寿企業は変化に柔軟です。新商品の開発、業態転換、新規事業、技術革新など新しい挑戦に積極的。でも注目すべきは挑戦の仕方です。どんな儲け話でも本業に何の親和性もない新規事業はやりません。野球で言えばバントで手堅く点を取り続ける。有形無形の経営資源をベースに自社の強みを最大限に活かした挑戦を重ねます。

社員、地元、取引先、はたまた世の中への愛が会社を強くする

「子どもが成績悪くても捨てないでしょ(笑)?」。今まで、社員をクビにしたことがないという長寿企業の社長の言葉です。家族型経営を重んじ、短期的な業績や能力で評価せず長い時間をかけて社員を育てる。その中で生まれる信頼関係と一体感。長い歴史の中でたびたび降りかかる危機を乗り越えて来たのは、長い時間をかけて家族のような結束力が育っていたから。海外ドラマで、ボスが失敗した社員に「you’re fired(お前なんてクビだ!)」とその日のうちに追い出すシーンをよく見かけますが、180度違う考え方です。
 また、地元、取引先など会社を取り巻く関係者への感謝の気持ちを忘れません。長寿企業の多くが、顧客よりも仕入れ先を大事にしているのが印象的です。商品やサービスを提供し続けられるのは仕入れ先があってこそ。一時の利益を確保するために買い抜ける、売り抜けるような商いをすることは結果的に自社の存続の障壁になることを長寿企業はよく知ってるのです。

「会社は預かりもの」経営者の存続への執念

 長寿企業の多くは同族継承。そして経営者は、会社を自分個人の「所有物」と思ってない。先祖や子孫からの「預かりもの」なのです。「先代たちが苦労して育ててきた会社を自分の代で潰すわけにはいかない」「後継者にいい状態にして会社を引き継ぎたい」。時代時代のバトンをつなぐ経営者の存続への執念こそが数々のイノベーションを生んできたのです。
 実は今、海外企業から日本の企業存続力が注目されています。しかし翻って日本国内を見ると、一時的な利益をねん出するために効率を優先し過ぎて消耗戦に陥っている企業が多い気がします。一見、保守的で時代遅れのように見える長寿企業。変化の大きな時代だからこそ、原理原則や道徳を重んじる長寿企業の経営哲学に学びたいものです。

yamano

【筆者Profile】
大阪産業創造館 山野 千枝
本紙「Bplatz press」編集長。
数多くの中小企業を取材する中で、家業を受け継ぎ、事業を展開する経営者の生き様に美学を感じる一方、
昨今の後継者不在問題を憂いて「ファミリービジネスの事業承継」をテーマに
現役の後継社長とともに関西学院大学、甲南大学、関西大学で教鞭をとる。
実家も四代続くファミリービジネス。

2015年04月09日
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