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受け継いでいくのは 「変われる力」と「感謝の精神」

アイトス社長
時代の風を読む 決断する

作業着や制服など、一日の大半を着て過ごす仕事服。単なる衣料としてのみならず、働く人のアイデンティティをも支える重要なアイテムだ。ワークウェアの製造販売を行うアイトスの創業は大正6年、作業服の卸問屋としてスタートした。昭和30年代にはファブレスメーカーへと業態を変え、40年代には海外生産も始めた。

創業者の伊藤清次朗氏。

創業者の伊藤清次朗氏。

 平成に入ると同業他社に先駆けて海外に自社工場を設立。製造から販売まで一貫して自社で行う製造卸販売へと業態を変化させてきた。ここ数十年間は円高も追い風となり売上を拡大しているが、「利益の3割は常に、人材育成、商品企画、工場など、次の時代への投資をしてきた」と3代目伊藤清一社長は語る。先代の経営者たちも目まぐるしく変わる経営環境に合わせて、業態を柔軟に転換しながら、100年近い歴史を積み上げてきた。

上海工場の様子。ミャンマーにも工場がある。

上海工場の様子。ミャンマーにも工場がある。

100年つづくDNAは会社を取り巻く人への感謝

先代から受け継いできたのは、人と人との繋がりを大切にする経営だ。創業者である伊藤清次郎氏は昭和6年、49歳の時に地域の医療サービスに役立ててほしいと現在の価値で約1億円を大阪市に寄付。

「7人も子どもがいて、家族を養うのにまだまだお金がかかる時だったので、寄付に反対する人もいたそうですが、地元の役に立ちたいという意思が強かったんでしょうね。このことはそのあとに続く先代社長や私にとって大きな誇りになり、全員何らかの形で地域貢献を続けています」。

毎年、全社を挙げてのイベントを開く。2014年は社員参加の運動会を開催。

毎年、全社を挙げてのイベントを開く。2014年は社員参加の運動会を開催。

社内で取り組む「ありがとうカード」もその一つ。日々の業務の中で感じたちょっとした感謝の気持ちをカードに書き、相手に伝え合う。もちろん、社長自らも社員に言葉を送っている。社内外問わず、会社を取り巻く人々への感謝や思いやりの気持ちが会社の力になる。これは創業来、同社に受け継がれているDNAなのだ。

社内の壁一面に貼り出されている6000枚もの「ありがとうカード」。業務の中で生まれる仲間の気遣いやサポートへの感謝の気持ちを言葉にして伝え合う。

社内の壁一面に貼り出されている6000枚もの「ありがとうカード」。業務の中で生まれる仲間の気遣いやサポートへの感謝の気持ちを言葉にして伝え合う。

次の時代に向け今が決断の時

社長就任から30年目になる2年後には、長男である崇行氏へ経営のバトンを渡す予定だ。今後は円安が続くことも予想され、次代の事業戦略も大きな決断が迫られる局面に立っている。今後は市場や情報が集中する東京に営業拠点の軸足を移し、大阪はものづくりや管理機能の拠点にする計画だ。

伊藤社長がめざすのは「物干し竿に吊るされている擦り切れた作業着を見て、子どもが親の仕事を知り、感謝する世界観をつくること」。これからも「働くことの尊さとかっこよさを伝える作業着」をつくり続けていく。

同社の総合カタログ「仕事服百選」では、商品のユニフォームを着た社員が表紙を飾る。

同社の総合カタログ「仕事服百選」では、商品のユニフォームを着た社員が表紙を飾る。

(取材・文/北浦あかね)

2015年04月09日
アイトス株式会社
代表取締役社長  
伊藤 清一氏

事業内容/仕事服の企画・製造・販売。製造現場で用いられる作業着や事務職用の制服、白衣など幅広く展開している。国内6つの営業拠点と3つの商品センター、海外に7つの生産拠点を持つ。

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