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【あぁ、麗しのファミリービジネス】Vol.13 「存続は経営者の最大の使命なり」経営者の存続への執念が生み出すイノベーション

世界一の長寿企業国NIPPON。

私はずっと不思議に思っていました。
資源のない小さな島国がなぜここまで経済的に成長してきたのか。
でもたくさんの経営者の話を聞くにつれ、ある確信が芽生えました。

「日本の経営者の企業存続への執念こそ、全てのイノベーションの源泉ではないか」。

長寿企業は、時代を超えて世の中に必要とされ続けてきたという証。
でも10年、いやたった1年でも世の中は変化する。
先代と同じことを続けていても当然生き残れない。
そう考える多くの後継社長が、時代の風を読み、挑戦を重ねた結果、新たな製品、サービスを生み出してきました。

注目すべきは挑戦の仕方です。

日本の会社は「存続」が最優先。
会社が潰れるほどのリスクをはらむ挑戦はしないし、本業になんの親和性もない新規事業はやらない。
「今ある経営資源」に新たな視点を掛け算することで独創的な商品やサービスを生み出す。
野球でいえば、バントで手堅く点を重ねていく感じです。
日本は起業家が少ないと嘆く人がいますが、会社の存続をかけて挑戦する後継者がいる限り、イノベーションはたくさん生まれていくのです。

そして日本の中小企業のほとんどが経営のバトンをファミリーで繋ぐ同族経営。
借入れの個人保証や株の問題など、家族が継がざるを得ない背景もあるものの、「同族経営」という言葉に排他的な印象を持つ人も多いし、「ボンクラ息子に継がせて会社が潰れるくらいなら優秀な社員に」と仰る社長もいます。
でも同時に、創業の精神を受け継いでいけるのも、会社が厳しい状況に陥った時に死に物狂いで頑張れるのも家族だけだということも経営者は知っている。

自分が好きなビジネスで自分が好きな人とビジネスが始められる起業家と違って、古参の社員、さらには先代の借金など負の資源も引き受けなくてはいけないのが後継社長。
でも天命を受け入れて覚悟を決めた経営者は強いのです。

ある三代目社長が仰いました。
「会社は先祖と子孫からの預かりもの。だから価値を下げるのはもちろん、失くすわけには絶対にいかない」。

存続への執念、イノベーション、ファミリー。
この相関関係が生み出す長寿企業文化が日本の競争力の礎なのかもしれません。
継ぐ人、継がせる人。会社の歴史のバトンを繋ぐすべての経営者に心からのエールを贈ります。

yamano

【筆者Profile】
大阪産業創造館 山野 千枝
本紙「Bplatz press」編集長。
数多くの中小企業を取材する中で、家業を受け継ぎ、事業を展開する経営者の生き様に美学を感じる一方、
昨今の後継者不在問題を憂いて「ファミリービジネスの事業承継」をテーマに
現役の後継社長とともに関西学院大学、甲南大学、関西大学で教鞭をとる。
実家も四代続くファミリービジネス。

2015年01月09日
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