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父、きょうだい、天国のオカン、家族の絆で繋ぐブライダルビジネス

社長として入社したのはつい半年前のことだ。「はじめは名刺の渡し方さえわからなかった」とおおらかに笑う川辺氏。それもそのはず、この春まではプロバスケットボールチーム「島根スサノオマジック」の選手だった。転身に迷いがなかったといえば嘘になる。「コーチとして、指導者になりたい気持ちも強かった」。それでも決断させたのは、母・多美子さんの「式場を頼む」という遺言だ。

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式場は、両親が営んでいた紳士礼服製造が折からの不況で頭打ちになり、1995年に母が立ち上げた新規事業だ。「結婚式が49,800円で挙げられる」式場として大当たり、本業の窮地を救った。

川辺氏は4人きょうだいの末っ子。母は「子どもたちに会社を継がせる」と決め、幼少期から「何かで一番になりなさい」と“帝王学”を叩き込んだ。その後、姉はデザイナー、長兄は東京の結婚式場、次兄は紳士礼服製造の会社をそれぞれ任され、ブライダルビジネスの中核として父母が大阪の結婚式場を運営していた。

母は早くからこの式場事業をいずれ川辺氏に継がせることを内外に公言していたこともあり、社員も準備してくれていた。「俺はバスケットボールしかでけへん」。不安がる川辺氏に「チームをまとめることと会社を経営することは同じ」と自信を与えてくれたのも母親だ。式場を立ち上げて以来、休みなしで働き続けた母が2005年に他界。「家族で家業を守り抜いていこう」という結束がさらに強まった。

社長になって毎日続けていることがある。朝一番に出勤し、会社の前を掃除し、道ゆく人に大きな声であいさつする。母も毎日やっていたことだ。現在、1棟丸ごと貸し切っての挙式サービスや、貸衣装サービスなどきょうだいの協力も得ながら新たな事業も予定している。

「きょうだいでいがみ合うようなことがあればあなたが間に入りなさい」と母はいつも言っていた。一番近い兄とも11歳離れている末弟だからこその役割。今もなお、母の存在は偉大だ。

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(取材・文/山口裕史 写真/掛川雅也)

2015年01月09日
RIVERSIDE ELEPHANTS株式会社
代表取締役社長  
川辺 泰三 氏

設立/2001年 従業員/11名 事業内容/婚礼プロデュース、チャペル(結婚式場)運営、レンタル衣装(ドレス・着物)の運営など。

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