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マイノリティは強み「自分で自分を雇用する」

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10年前、自社ブランドのヘアコームを使って自分の髪で仕上げたヘアスタイルを後ろから撮影した写真を、文氏は今なお名刺に印刷して使っている。「これを見るたびに原点に立ち返ることができる」のだという。

大学卒業後、大手保険会社の総合職として3年勤めた後、韓国へ留学し、その後結婚。2人の子どもをもうけた後に再び働こうとしたが、乳幼児を抱えての再就職の壁は厚かった。「それなら自分で自分を雇用する」と、雑貨を楽天市場で販売し始めたのが2001年。

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独学で本とにらめっこしながら「怖いもの知らず」で始めたビジネスで月商を目標だった150万に乗せた矢先、店を閉じることにした。次男が自宅でカッターを触り、大けがをしたのだ。「家庭を顧みず仕事に没頭しすぎていなかったか」。自責の念に駆られ子どもと向き合うことを決めた。

そのまま再び“専業主婦”に納まるつもりだったが、家事をしていても育児をしていても事業のアイデアがどんどん湧いてくる。「やっぱりやりたい」。むしろいったん専業主婦に戻ったことで覚悟が決まった。

開業当時の、自宅の車庫を改造した倉庫兼オフィス。寝る間も惜しんで夢中で働いたが「しんどいと思ったことはない」。この時代のスタッフとは今でも仲がいい。

開業当時の、自宅の車庫を改造した倉庫兼オフィス。寝る間も惜しんで夢中で働いたが「しんどいと思ったことはない」。この時代のスタッフとは今でも仲がいい。

当時、美容院でしか出来なかったヘアスタイル「夜会巻き」が簡単に出来るコームを前面に打ち出したヘアアクセサリー専門店として再開しようと、商品紹介のために撮影したのが冒頭の写真だ。自宅の一室で夫に撮影してもらった。夜会巻きコームが大ヒットし、わずか1年半で月商3000万円を達成。その後、海外に工場を持ちオリジナル商品を積極的に開発、何度も年間優秀ショップとして表彰されるなど急成長を続けている。

在日コリアンとして生まれ育った。父親からは「就職と結婚は思う通りにいかないのが現実」と言われ続けた。「それで折れてしまうタイプと発奮するタイプがいる。私は後者だった」。コンプレックスが常に自分を前に向かせた。民族的マイノリティであること、男性ばかりの中で女性総合職として働いたこと、働く母として起業したこと。

2007年の家族写真。新しい挑戦に肩を押してくれているのは、経営パートナーの夫をはじめ、二人の息子の存在だ。

2007年の家族写真。新しい挑戦に肩を押してくれているのは、経営パートナーの夫をはじめ、二人の息子の存在だ。

「ずっと“少数派”だったからこそ持てた、他の人とは少し違う視点が私の強み」。誰にとってもとことん自分に向き合うのは怖いもの。でもそれは自分で人生を切り拓いていく第一歩なのだ。

自分の髪で結い上げて夫に撮影してもらった商品写真。この時の気持ちは今でも忘れない。

自分の髪で結い上げて夫に撮影してもらった商品写真。この時の気持ちは今でも忘れない。

(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

誌面では紹介しきれなかったロングインタビューはコチラ
→徹底的に自分に向き合って出した答えは「妻、母、経営者」

2014年12月10日
リトルムーンインターナショナル株式会社
取締役副社長  
文 美月氏

ヘアアクセサリーの製造・卸・小売。ヘアアクセサリーのEC サイトとしては日本最大級の品揃えを誇る。

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