産経関西/産創館広場

もっと女性が活躍できる環境を

2014.08.18

株式会社ビビッドヴアン(大阪市北区)は輸入塗料の卸売りを中心に、自社オリジナル塗料やステンシル(装飾と塗装に利用するプラスチックシートの型)などの商品開発・販売にも取り組んでいる。

代表取締役を務める東やよい氏はもともと、脱サラ後に夫婦で飲食店を経営していた。その頃、木などの素材に絵を描く、“トールペイント”を趣味で始めたことがきっかけで、職業訓練校のディスプレー塗装科で本格的にペイント技術を学んだ。

そして、持ち前の積極性と好奇心から塗料業界のアメリカツアーに参加し、現在の主力商品でもあるオールドビレッジ社の塗料と出会った。伝統のフォークアート独自の美しい色調が出せるこの製品を広めたいと思い立ち、以前商社に勤めていた夫の協力を得て、塗料の輸入販売会社を設立した。

品質の良さやブランド戦略が奏功してインテリア雑誌やDIYの雑誌などに取り上げられることも増え、大手小売りチェーンや素材にこだわりを持つ工務店などの新規開拓も順調だ。

自社オリジナル塗料では、従来の「臭い、汚れる」といったイメージを払拭するため、ラベルや容器にいたるまでのパッケージデザインを自社のデザイナーが手掛け、独自の世界観をつくりあげており、材料にこだわる消費者をターゲットにブランドの浸透を進めている。

そして東氏の夢は「もっと女性が活躍できる環境づくりに貢献する」こと。塗装職人という男性中心の業界に女性が参加する機会を提供するため、装飾ペイントの専門家「ペイントデコレーター」の育成に取り組んでいる。「装飾ペイントにより売り上げが拡大したお客様の喜ぶ顔が忘れられない。同じような経験をたくさんの女性にしてもらいたい」と語る東氏は、店舗などの内外装に装飾ペイントを施すサービスを拡大している。さらに技術力向上のため、資格制度の構築も検討しており、女性が活躍できる環境づくりを進めている。

東氏の現在の課題は「やりたいことが山ほどある」ことである。

(大阪産業創造館 経営相談室 岡島卓也)

sankeikansai140818

▲東氏はショールームにもこだわりを持っている

株式会社ビビッドヴアン

http://vividvan.co.jp/