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異業種他社と合同で取り組む新卒採用&教育 新人と描く会社の未来

「新卒社員を採用することで社内が変わっていく」。そう語るのはマツダ株式会社の松田社長だ。同社では、新卒社員の採用活動、内定者研修をはじめ、入社後の教育まで、異業種他社と合同で行っている。各社を互いに行き来し交流する中で、彼らに芽生えるのは同期意識だ。所属する会社は違えど、新人が互いに悩み、喜びを共有することで離職率もここ数年で大幅に改善した。予想外に変化するのは先輩社員たちだ。他社の社員も頻繁に出入りする中で、「見られている」意識から、ホスピタリティも責任感も自然に高まり、社内の空気もずいぶん明るくなった。

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しかし、ほんの数年前は「お客さんに挨拶すらできない会社だった」。2008年のリーマンショックは業績を直撃。「いいものを作ってさえいればやっていける時代じゃなくなった」。状況の厳しさを痛感している中で、流れを変えるきっかけになったのは、中小製造業経営者ら19人と共同で設立した株式会社大阪ケイオスでの取り組みだ。当初は、各社の連携による共同受注や合同プロモーションによる各社の発信力強化が目的だった。しかし、経営者同士がともに活動する中で、各社のマネジメント上の強みを互いに吸収し合う空気が生まれていった。

ある日訪ねた会社で、「ジェラシーすら感じた」というほどの衝撃を受ける。そこでは新卒採用を毎年実施。先輩から後輩に技術やノウハウが途切れることなく伝承されていく「仕組み」が出来上がっていた。

「うちもこんな会社をつくらなアカン」と新卒採用を始めることを決意。とはいえ、一社でアピールしても学生に振り向いてもらえない。そこでケイオスに参画する各社で合同企業説明会を開催。合同で発信することで訴求力も高まり、説明会には毎年80人以上の学生が参加する。

採用説明会から入社後の人材育成まで他社と合同で行う中で、変化するのは経営者の意識だ。ノウハウはお互い臆することなくさらけ出す。そして他社ができて自社にできていないことは、物真似でもいいからまずは始めてみる。真似される方も超えられないようにさらに磨きをかける。新卒社員同様、経営者同士も切磋琢磨しながら成長する機会になっているという。

新卒社員と社長のペアで参加する合同勉強会のテーマは「20年後の会社の姿」。若い彼らが真剣に描く会社の未来に「嬉しくて涙が出そうになる(笑)」が、それと同時に「彼らが辞めるような会社には絶対したくない」という決意が新たになるのだ。

 

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▲各社の映像をつかった合同説明会。各社は協力しながらも競い合うように自社のPR映像やプレゼンテーションに工夫を凝らしている。

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▲経営者や先輩社員のサポートを受けながら、新卒社員が自社のポートフォリオを作成する合同ワークショップ。

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▲合同で行う雪山キャンプの様子。経営者と内定者が寝食を共にする。夜はお酒を飲んで語り合い、親密な時間を過ごす。

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▲入社後に行われる合同研修。工場を数珠つなぎに見学する。技術だけでなく現場の危険性も学ぶ。後輩を前に先輩の指導にも熱が入る。

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▲「あえて木材をふんだんに使った」という、無機質な工場内でひときわ目立つ打ち合わせルーム。温かみ溢れるスペースは社員の休憩にも使用されている。

2014年02月07日
マツダ株式会社
代表取締役  
松田 英成氏

設立/1974年
従業員/16名
事業内容/カラー、スペーサー、ブッシュ、ボルト、ナットを設計から量産まで手掛けている。素材を加熱しない冷間圧造が特徴。2010年に中小製造業経営者19人で設立した株式会社大阪ケイオス(http://www.osakachaos.com/)に参画。

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