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めざすは多国籍企業が実現する業界トップ

2013.12.09

大阪市西区の本社事務所を訪ねるとそこは、まるで異国。日本のゲームを海外向けに、海外のゲームを日本国内向けにローカライズ(相手国の言語・法令・慣習などにあわせて改訂)するアクティブゲーミングメディアの大阪本社だ。出身10ヶ国のスタッフが働く多国籍企業を率いるのはスペイン人のイバイ氏。

イバイ3

「ゴルゴ13がきっかけで」と流暢な日本語で話す同氏が来日したのは23歳のとき。大学卒業後、海外を旅したいと思い立ち、漫画の影響で興味のあった日本を旅先に選んだ。当初は3週間の滞在予定だったが、家族の反対を押し切ってそのまま日本に定住。当時、日本語はできなかったが、「できます!」と見栄を切って有名漫画の翻訳を請け負い、「仕事をしながら日本語を覚えた」というから驚く。

その後、大手ゲーム会社に入社し、任天堂Wiiのタイトルや「牧場物語」といったシリーズを欧州向けにローカライズする仕事に携わる。4年の勤務で技術を身につけたのち、ゲームのローカライズ市場が拡大すると考え2007年、28歳のときに同社を創業。前職から仕事を請けるかたちで独立したため、仕事には事欠くことはなかった。「だから私は本当に運が良かったんです」と感謝する。

イバイ2

東京で創業し、約半年後に事務所を大阪に移転した。「理由は人材の獲得。関西には日本が本当で好きで滞在している外国人が多い。それに大阪は競合が少なく、外国人を雇用しやすかったんです」。多数の外国人社員を抱えたローカライズ業者は同社が国内で唯一。よって、組織化の過程で数々の問題に直面しながらも、仕事は順調に増えていった。ところが、東日本大震災で一転、苦境に陥る。社員が次々と帰国してしまったのだ。 人材不足で案件は滞り、創業来のピンチを迎える。「しかしクライアント企業が売上げを前倒しで振り込んでくれるなど、私の国ではあり得ないような対応をしてくれました。日本の企業文化は素晴らしいと感動しました」と目を見開く。「10年後には業界でトップになりたい、とりあえず(笑)」。そう語る同氏は今後も日本に根を張り、ビジネスを続ける覚悟だ。
▼紙面では紹介しきれなかったロングインタビューはこちら

https://bplatz.sansokan.jp/archives/1524

▼イバイ氏が「ローカライズ戦略」について語る

【海外ビジネスセミナー】
海外に向けたブランディング ファン獲得の鍵は“ローカライズ”戦略!(2016/9/12開催)

https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=21453

 

 

株式会社アクティブゲーミングメディア

代表取締役

イバイ・アメストイ氏

http://www.activegamingmedia.com/ja/

設立/2008年 従業員数/38名 事業内容/マルチプレイ、オンラインに対応したゲームのローカライズのほか、インディーズゲームを配信するサイト「PLAYISM(プ レーイズム)」を運営する。