軽くて丈夫、強化ダンボールを素材にものづくり

「人が乗ってもびくともしませんよ」。そう言って住谷氏が差し出した組み立て式テーブルは強化ダンボールでできている。切り込みを入れた二つの長方形パーツを組み交わせて土台とし、その上に天板をはめ込むだけ。重量は同じ大きさのアルミ製テーブルと比べて約半分の400gという軽さだ。

インクジェットプリンターを使って多彩な柄が楽しめるようにもしている。「撥水加工もしているので雨が降っても大丈夫。登山やキャンプ用に気軽に携帯できると重宝がられています」。

強化ダンボールは、中芯を2層もしくは3層重ね、ライナーと呼ばれるパルプ100%の硬質紙で挟んだ構造で、1㎥の箱なら3t分の重量物を運べる耐荷重を持つ。

無地の他にメタル調5種、ウッド調5種。

京阪紙工では創業来、梱包材としてこの強化ダンボールをさまざまなメーカーに供給してきたが、住谷氏は軽くて強い素材としての特性に着目し、これまでに10の強化ダンボール製品を送り出している。

第1号は「簡易トイレ」で東日本大震災後に商品化。「阪神・淡路大震災の時に女子高生がダンボール製の仮設トイレを作った話を覚えていて、強化ダンボールなら頑丈なものが作れる」と発案した。使うのは3つのパーツだけ。避難所での備蓄用品などとしてすでに2000個が出荷された。

東日本大震災の経験から生まれた非常用の段ボール製簡易トイレ。トイレットペーパー・ビニール袋・凝固剤を同梱。また、最大でビニール袋50枚・トイレットペーパー9個を一緒に収納することができる。

元々ものづくりが好きだったという住谷氏。さまざまな梱包のニーズに応えてきた経験がものづくりにも生かされている。構造を考える上でのポイントは、「だれでも直感的に組み立てることができ、コンパクトに収納できるようにすること」。

3年前にカッティングマシンを導入してからはパーツ作りが格段にスピードアップし、さらに制作意欲を掻き立てられている。

今回、紙加工技術展に出展するのは、その上に乗って体を折り曲げ、ひざ裏を伸ばす健康器具、「ストレッチボード」。2種類の直角三角形のパーツを使って角度調整でき、使わないときは本棚に収納できるようにした。

昨年の紙加工技術展に来場した女性から、筋肉が衰える病気で自分の体を支えられない子どものために、食事などの時に体を固定し、かつ持ち運べるイスを作れないかとの依頼が舞い込んだ。これまでに7回の試作を重ね、背もたれの調整では「ストレッチボード」で思いついた直角三角形パーツのアイデアが生かされた。

モットーは「売れそうな商品を作るのではなく、本当に求められている商品を作ること」。100アイテムを商品化することが目標だ。

代表取締役 住谷正司氏

(取材・文/山口裕史)

≪京阪紙工も出展!オススメイベント≫
【紙加工技術展2019】紙のあれこれお悩み解決!

3度目の開催となる紙加工技術展、盛況のため今年は2日間で開催します。ペーパーレス時代と言われる逆境に、独自のアイディアや強みを持って市場で勝負する企業が集まる展示商談会です。新たなパートナー企業の発掘や製品開発の一助にご来場ください。

2019年04月15日
京阪紙工株式会社
代表取締役  
住谷 正司氏

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