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「度胸をつけ、本当のプロにならんと 中国では商売できん」

2012年4月、上海事務所を設立

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大手商社に勤務していた前職時代は事業投資会社の経営に携わるなど、企業再生の経験を重ねていた。そんな末常氏が、化成品を扱うミテジマ化学の前社長から声がかかり、同社を引き継いだのは2年半前のこと。国内市場の縮小により、競合同士で限られたパイを奪い合う消耗戦を繰り広げるなか、売上げは毎年3~5%ずつ下がっていた。古い業界体質に引きずられるように社内の意識も保守的で、新たなことにチャレンジする機運もない。

「そこで私がまず何をやったか。社員のメンタル改革ですよ」。パスポートすら持っていない社員も少なくないなか、いきなり「中国でものを売る」と宣言したのだ。「変化を嫌い、うちは中小だから…と尻込みする。そんな消極姿勢を叩き潰さんと会社が元気になりませんから」。

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突然のトップの方針に社内から反発の声が挙がったものの、そんな逆風は意に介さず、2012年4月に上海事務所を設立。「会社をつくったらこっちのもの。はい出張。そんな感じで若い社員を交代で上海に行かせた」。海外が初めての社員でも容赦しない。「とにかく現地集合」を基本に、上海事務所まで一人で行動させる。「そうやって自分で汗をかくことで、海外力が一気につくんです」。

進出先に中国を選んだ理由は2つ。売上げアップとコスト削減だ。まず売上げアップに関しては、巨大市場に販路開拓の可能性を見出すのは当然の考えだ。コスト削減については、同社が扱う中国産原料を直輸入すればコストダウンが可能となるのだ。

とはいえ、中国展開を軌道に乗せるための難所は多い。まず規制の問題。同社製品を中国で製造するためには、厳しい許可申請をクリアする必要がある。中国進出して8ヶ月後に食品添加物製剤の許可が7つ、1年後に化学研磨液の危険物の製造許可がようやく取得できた。

現地企業との価格交渉もシビアだ。同社の社員は国内営業しか経験がないが、「交渉も含めてすべて社員に任せている。度胸をつけて、本当のプロにならんと中国では商売はできひんよ。中国進出に対して業界から異端児扱いされることもある。でも販路を広げ、コストを下げるためには、古い慣習を打ち破らなあかんときもある」と覚悟を決める。

ここに来て何とか、売上げが横ばいに回復した。今後、「種まきの結果を収獲したい」と意欲的だ。「そして技術力ある大阪の中小だった我が社が『世界のミテジマ』になる。これが夢やね」。

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▲硝酸を主成分とする既存化学研磨液(左)によるアルミ品の化学研磨。自社開発の「ミテラスター」(右)は有毒ガスが発生しないことに加え、薬液濃度が一定で、製品の歩留まりが向上するため各方面での導入が期待される。

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▲日本では少ない「スプレードライヤー」をはじめ、充実した機械設備を誇る。

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▲2013年に行われたFIC(中国食品添加物展示会)。中国人社員と現地パートナー企業と共に出展。

※末常 裕治さんのロングインタビューはこちら
http://bplatz.sansokan.jp/archives/987

2013年08月09日
ミテジマ化学株式会社
代表取締役社長  
末常 裕治氏

設立/1957年 資本金/3,510万円 従業員数/55名 事業内容/リン酸塩を中心に食品添加物製剤・工業用製剤と原料を扱う。充実した機械設備に加えて、多様化する食文化や顧客ニーズに合わせた製品を提供するべく研究開発にも力を入れる。

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