産経関西/産創館広場

「おもしろきことへの創造」常に求め

2013.02.25

20130225

「平清盛」や「八重の桜」などNHK大河ドラマに縁のある家紋や、阪神タイガースのトレードマークである虎の顔やロゴ、さらに熊本県の人気キャラクター「くまモン」を使ったノベルティーグッズを販売している株式会社ペアトレード(奈良県香芝市)。2011年6月設立と歴史はまだ浅いが、代表取締役の関智之氏は約20年前の学生時代に、当時黎明(れいめい)期だったパソコン教室を開業して以来、個人事業のシステムエンジニアとして多くの大企業のプロジェクトにも参画した、いわばベテラン起業家だ。

そんな関氏が、結婚を機に最終表面処理というものづくりの世界に飛び込むことになる。苦労しながらも加工技術からマネジメント手法まで猛烈に学ぶ日々が始まった。そして数年後には、「技術を用いたオリジナル商品で新たな市場に打って出たい。そうすれば違った世界が見えるのでは」と独立を決意。大阪産業創造館の起業支援スペース「立志庵」に入居し、会社を設立する。

しかしながら世の中にノベルティーグッズ自体、星の数ほど存在する。その中で目立つために前面に打ち出したキーワードが「キャラクター」と「キラキラ」。世相や時代を彩るキャラクターを選び、プラスチックに金色や銀色のメッキ加工を施すオリジナル製品だ。この派手さが関西のタイガースファンに支持され、タイガースグッズ専門店でも販売されるようになった。

こうしてキャラクター商品を少しずつ増やしてきており、今年はアイテム数200種をめざす。独立を決意してから2年、関氏はようやく事業の流れが見えてきたという。現在の商品ラインアップは小型のノベルティーなどが多く、単価も安いため、大きな売り上げにつなげるためには販路拡大とともに、商品の高付加価値化が必要だ。「将来は、もっと大型の商品をつくりたい。たとえばキラキラしたマスクのコスプレを考えると胸がワクワクしてくる」と夢を語る関氏。学生時代から今も続いている「おもしろきことへの創造」は、さらなる独立精神と探究心を追い求めているようだ。

(大阪産業創造館 プランナー 長川勝勇)

株式会社ペアトレード

http://pairtrade.jp