ものづくり

【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】大企業相手にもひるまず、総合提案力で取引獲得

2014.02.07

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電子部品などの成膜加工に使われるターゲット材の販売先の紹介についてナビゲーターに依頼があり、大手電機グループの電子部品関連事業所を紹介。顧客要望に合った価格、材料組成、必要な寸法許容公差、即納体制及び廃棄物の高値買取の総合力が決め手となり、昨年より毎月定期的に出荷されるようになった。

電子部品の回路製作では、真空下で金属(ターゲット材)に高エネルギー粒子をあて、弾き飛ばした原子を基板にくっつけて成膜するスパッタリング工法が多く使われている。そのターゲット材の製造を得意とする明浄金属が、販路拡大をめざし、大手電機メーカーとの面会をナビゲーターに依頼した。ナビゲーターと共に、同メーカーのある部門に訪問したところ、同じグループ内の電子部品関連事業所を紹介してもらうことができた。

仕様書をもとにターゲット材を供給し、検証に入った期間中、足しげく現場に通ったのが営業の大村氏。担当者と話をするうちに、成膜時に抱える課題を引き出し、技術に精通した明浄氏が同行して解決方法を次々に提案していった。たとえば、装置に悪さをする原子くずがターゲット材の端にたまるのを防ぐため特殊な技術を使って解消させたこともその一つ。スパッタリングを行う際のターゲット材の設置方法を従来より簡素にすることでコストダウンを実現。既存の取引先が1.5ヶ月の納期がかかるのに対し、材料調達の工夫などで7日に短縮。使用済みターゲット材の引き取り価格でも競合の優位に立った。「金属回収からターゲット材の製造まで長年培ったノウハウでは他に負けない自信があった」と大村氏は振り返る。昨年7月に取引が決まって以降、継続的に納入が続いている。

他のナビゲーターを介して大手電機グループの4部門の担当者と直接交渉することができ、そのうち2部門でマッチングが成立。この実績をもとにさらに新たなマッチング先を探している。

<マッチングまでの流れ>
2012年12月 ナビゲーターの紹介を受け大手電機メーカーの担当者と面会。ターゲット材の販売先について関連事業所につないでもらう。

2013年1月 仕様書をもとに製作したターゲット材の実験、検証に入る。この期間中、営業担当者が課題を探り出し、解決策を提案。

2013年7月 納入開始。現在では毎月安定した納品が続いている。

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▲大阪産業創造館 ナビゲーター 木谷 晃夫(左)、株式会社明浄金属 代表取締役社長 明浄 章彦氏(中)、新素材事業部 営業課 大村 潔氏(右)

株式会社明浄金属

代表取締役社長

明浄 章彦氏

http://www.myojokinzoku.co.jp/

設立/1965年 従業員数/21名 事業内容/レアメタル回収、有効利用を図る原料事業部と金属を使った成膜、蒸着材料などの製造・販売を行う新素材事業部の2本柱で事業を展開。