スタッフ連載

【事業承継相談窓口の舞台裏】連載Vol.2 四半世紀続く後継者育成の事業『なにわあきんど塾』

2014.02.07

事業承継の相談窓口をスタートしてから約9ヶ月。本格的にサポートを始めてからはまだ間もないのですが、サンソウカンにはさらに昔から、四半世紀続いている後継者育成の事業があります。

それが『なにわあきんど塾』。“次世代の大阪を担う若手経営者・後継者の育成塾”として、約1年間、経営者の講演・経営知識を学ぶ講座・同期生との交流などを通じて、企業家としてのあり方や今後の方向性を学び考えていきます。28年間の受講生は1000名を超え、親子2代での参加者もいます。私も26期から3年間、担当をしてきましたが、今年の28期生がこの3月に卒塾を迎えます。

ふり返った時に印象強く思い出されるのが「ケーススタディ」の講座。塾生の皆さんがこれまでの人生や会社への想い、今後のことなどを、約20分間発表します。約70%が家業の後継者。共通して現社長・先代(父母・祖父母等)への想い、社員への想い、経営者としての目標や不安が語られました。

「従業員の目線を先代から自分へどう向けていくか?」「従業員が楽しく前向きに働くには何が必要か?」「次の世代へ会社をつなぐために、今後どのような方向性で進めていくか?」「自分は社長や先代から何を引き継がなければいけないのか?」

後継者の多くが、このようなことを常に考えながら、承継の準備を進め、また後を継ぎ、家族・従業員を守ろうとしています。その背景には、育ててくれた家族への感謝があります。

しかし、これも家族間承継の課題ですが、後継者が家族であり上司でもある先代に、面と向かって素直に考えや想いを伝えるのは簡単ではありません。

経営者の皆さん、もしご自身と後継者の関係にも思い当たるところがある方は、ぜひ話す機会を作ってあげてください。ちなみに、車での移動中、運転席と助手席での横並びでの対話がお互いに話しやすいようですよ。

arai
▲大阪産業創造館 事業承継なんでも相談所 荒井 祐己子
経営者対象のセミナー講座や若手経営者のためのビジネススクール「なにわあきんど塾」を担当。長年耳を傾けてきた経営者の生身の声をもとに同プロジェクトを立ち上げた。

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