ものづくり

実は身近な製品のシェア約7割、身の回りの製品に潜む日本資材株式会社の技術力

2023.05.08

戦後混乱期の1949年、国内繊維会社の強い要望を受け、染料や助剤などを扱う専門商社として産声を上げた日本資材株式会社。現在は“商社機能を持つメーカー”として国内外を問わず広範囲にビジネスを展開し、高機能フィルムや化学品など多岐にわたる産業資材を扱うとともに、マーケティングやR&D(研究開発)、製造など幅広い事業を手掛けている。

BtoBに特化したビジネスモデルだが「実は身近なところで、当社の皮膜技術などを用いた素材が使われているんですよ」と教えてくれたのは、同社の第4営業部の堂ヶ崎部長だ。たとえば、医療や介護現場で使用される介護用防水シーツのシェアは7割近くにも及ぶという。ほかにも介護用寝具や手術着、絆創膏といった医療分野、アウトドア用品やインクジェットに対応した垂れ幕、半導体製造現場やクリーンルームで使われている手袋やシューズ、日差しやUVをカットする日傘などに同社の技術と素材が活かされており、私たちの生活を支えている。

介護用防水シーツ

多様なビジネスを展開する同社のなかで、第4営業部は繊維に対してポリウレタン素材でラミネートしたり、コーティング加工をしたりする事業を担当。加工手法の開発や製造は子会社の株式会社ダイニチが受け持つ。防水はもちろんのこと抗菌や遮熱、頻度の高い洗濯にも耐える丈夫さが求められるシビアな要件に対し、長年培ってきた高度な技術で応えるのが特徴だ。メーカーから卸業者、大手から中小企業に至る幅広い顧客層から信頼されている。「大々的な宣伝はしていませんが、既存取引先からの紹介や口コミを通じて徐々にお客さまも増加しています」と語る堂ヶ崎氏。同社と縁のある企業が新規顧客との橋渡しをするケースも多く、「お客さまにも仲間にも恵まれています」と笑顔を見せる。また、展示会への出展にも積極的だ。

半導体製造現場用やクリーンルームで使われている特殊手袋

新たな技術やプロダクトは、顧客の課題から生まれる。たとえば、とある医療用の衛生材料に必要なラミネート加工の開発では、機能だけではなく、既存製品にはないレベルの“薄さ”が求められた。堂ヶ崎氏は「とにかくチャレンジしてゼロからイチを生み出した後、数年かけて改良を重ねました」と、当時を振り返る。

将来的には、既に一部で手掛けている二酸化炭素削減やリサイクルといったSDGsにつながる製品づくりを考えている。小ロットかつ高性能、お客さまの要望と時代のニーズに寄り添い、課題を解決に導く技術力を武器に、これからも一歩一歩着実に成長を続けていく。

第四営業部 部長 堂ヶ崎重実氏

(取材・文/仲西俊光)

 
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日本資材株式会社

第四営業部 部長

堂ヶ崎 重実氏

https://www.nippon-shizai.com

事業内容/産業用資材のメーカー及び商社